悪性胸膜中皮腫を診断するうえで、胸水中ヒアルロン酸カットオフ値10万ng/mLで感度44%・特異度96.5%

e0156318_2351885.jpg 悪性胸膜中皮腫の胸水中ヒアルロン酸のカットオフ値は10万ng/mLと言われていますが、これはあくまで特異度を重視した確定診断を想定した数値です。除外診断の場合、個人的には感度が最も高くなる3万ng/mLあたりをカットオフ値にしています。感度特異度ともに優れたROC曲線が描けない場合、自身で2つのカットオフ値を意識しておくように心がけた方がよいと思っています。
 ヒアルロン酸に限ったことではありませんが、カットオフ値の意味を履き違えずに臨床応用したいものですね。

Fujimoto N, et al.
Hyaluronic acid in the pleural fluid of patients with malignant pleural mesothelioma
Respiratory Investigation 2013, in press.


背景:
 われわれはレトロスペクティブに胸水におけるヒアルロン酸濃度を解析し、悪性胸膜中皮腫(MPM)の鑑別に対する有用性を評価する。

方法:
 胸水中ヒアルロン酸が334人の患者で測定された。50人のMPM、48人の良性石綿胸水、85人の肺癌、18人の他の悪性疾患、86人の感染性胸水、6人の膠原病胸水、41人の他疾患による胸水の患者が登録された。

結果:
 MPMの胸水中ヒアルロン酸の中央値は78,700 ng/mL(7920–2,630,000 ng/mL)であった。良性石綿胸水では35,950(900–152,000)ng/mL、肺癌では19,500(2270–120,000)ng/mL、他の悪性疾患では14,200(900–101,000)ng/mL、感染性胸水では23,000(900–230,000)ng/mL、膠原病胸水では24,600(9550–80,800)ng/mL、他疾患による胸水では8140(900–67,800)ng/mLであった。
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 ヒアルロン酸はMPM患者では有意に高かった。ROC解析では、MPMの鑑別診断に対するRPC曲線下面積は0.832(95%信頼区間0.765–0.898)であった。カットオフ値100,000ng/mLに設定すると、感度44.0%、特異度96.5%であった。
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 MPM群ではヒアルロン酸は上皮型が肉腫型よりも高く(p=0.007)、早期MPM(stageI-II)の方が進行期のMPM(stageIII-IV)よりも高かった(International Mesothelioma Interest Group classification p=0.007)。
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結論:
 胸水中ヒアルロン酸濃度が100,000ng/mLを上回る場合、MPMの診断を考慮すべきである。


ハリソン第4版が出ました。

by otowelt | 2013-03-27 00:07 | 肺癌・その他腫瘍

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