サルコイドーシスのセカンドライン治療におけるメトトレキサートとアザチオプリンは良好な効果

 サルコイドーシスのセカンドライン治療における免疫抑制剤を比較した論文です。重度の肺サルコイドーシスでステロイドを使うことがあるかと思いますが、呼吸器内科医にとってはかなり興味深い論文だと思います。
 日本では、免疫抑制剤の場合メソトレキセートではなくメトトレキサートと表記します。個人的にはどっちでもいいんですが。

Adriane DM Vorselaars, et al.
Methotrexate versus azathioprine in second line therapy of sarcoidosis
Chest. 2013. doi:10.1378/chest.12-1728


背景:
 サルコイドーシスの治療の第一選択肢は依然ステロイドであるが、慢性的な使用は毒性を高めてしまう。現時点で、妥当な第二選択肢の治療はない。このスタディの目的は、プレドニゾンの漸減、呼吸機能、副作用をメトトレキサートおよびアザチオプリンにおいて比較することである。

方法:
 国際レトロスペクティブコホート試験により、メトトレキサートあるいはアザチオプリンを開始後2年あるいは断薬するまで続けた全てのサルコイドーシス患者を登録した。
 ベルギーのルーヴェン大学病院およびオランダのセントアントニウス病院でおこなわれた。
 サルコイドーシスはATS/ERS/WASOGステートメントに基づいて診断された。
 メトトレキサートは10mg/週から開始し、肝機能をチェックしつつ15mg/週まで増量した。全ての患者は5mgの葉酸を内服することとした。アザチオプリンは2mg/kgを内服し、肝機能や血球をチェックしなたら最大150mg/日まで増量した。
 呼吸機能への治療効果やプレドニゾンの量が線形混合モデルを用いて計算された。副作用はχ2検定で比較された。

結果:
 200人の患者が登録された。145人はメトトレキサート、55人ガアザチオプリンを使用した。メトトレキサートは非白人が多く(p=0.004)、ベースラインのDLCOが高い(p=0.01)というベースライン特性の差がみられた。肺外サルコイドーシスの治療適応は、心サルコイドーシス、神経サルコイドーシス、関節サルコイドーシス、眼サルコイドーシス(ぶどう膜炎)、著明な倦怠感であった。
 免疫抑制剤治療開始から37人が副作用のため脱落した。
 1日1回のプレドニゾンは治療中に年間で6.23mg減少し(p<0.0001)、ステロイド減量効果がメトトレキサートとアザチオプリンにみられた。1年間の治療をおこなった患者の70%が1日量のプレドニゾンを少なくとも10mg減量することができた。
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 両群において、一秒量は年間で平均53ml改善し(p=0.006)、肺活量は年間で平均95ml改善し(p=0.001)。DLCO (%予測値)は年間で平均1.23%増加した(p=0.018)。なお、肺サルコイドーシスと肺外サルコイドーシスでは全パラメータに有意な差がみられていた(* p=0.049、** P<0.001)。
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 アザチオプリン群ではより多くの感染症が観察されたが(34.6 vs 18.1% p=0.01)、他の副作用については両群に差はみられなかった。
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結論:
 サルコイドーシスのセカンドライン治療の効果を比較したこのレトロスペクティブ試験では、メトトレキサートとアザチオプリンは、有意にステロイドを減量する効果があり、呼吸機能に対して良好な効果が同等にみられ、感染症の発症以外ではいずれも副作用は同等であった。


by otowelt | 2013-03-30 12:53 | サルコイドーシス

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