窓や自然景観があるICUであっても患者アウトカムは改善しない

e0156318_222211100.jpg 観点が興味深い臨床試験です。時間経過がわかるような光や窓、カレンダーなどはせん妄リスクを減らすと言われていますが・・・。

Rachel Kohn, et al.
Do Windows or Natural Views Affect Outcomes or Costs Among Patients in ICUs?
Critical Care Medicine, 27 March 2013, doi: 10.1097/CCM.0b013e318287f6cb


目的:
 窓からの自然な光にさらされることや窓からの良好な景観が重症患者のアウトカムやコストに影響を与えるかどうか検証すること。

方法:
 フィラデルフィアでおこなわれたレトロスペクティブ試験である。患者は、2006年7月1日から2010年6月30日までの間、24床の内科ICUに入室した6138人の患者と、24床の外科ICUに入室した6631人の患者である。内科ICUで窓がある場合とない場合の比較をおこない、外科ICUで自然景観と工場景観に患者をさらした場合を比較した。

結果:
 患者特性で補正をおこない、内科ICUで窓つきの病室であった4093人とがない2243人を比較したところ、ICU死亡率(p = 0.25)あるいは院内死亡率(p = 0.94)に差はみられず、またICU再入室率(p = 0.37)やせん妄(p = 0.56)にも影響を与えなかった。
 外科ICUで自然景観を見せた3072人と工場景観を見せた3588人でも、双方に上記アウトカムの差はみられなかった。
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 操作変数(instrumental variable)解析ではいずれのアウトカムも内科あるいは外科ICUコホートで差がみられなかった。ICU在室期間が72時間を超えるような患者サブグループでは、内科ICUで窓があった場合ICU死亡率あるいは院内死亡率の減少と関連していたものの、これらの結果は補正後の有意な基準を満たすものではなかった。

結論:
 窓や自然景観をもたらすICUの病室は、内科および外科ICU患者のアウトカムやコスト減少には寄与しなかった。


by otowelt | 2013-04-05 00:02 | 集中治療

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