Enterococcus faecalisによる感染性心内膜炎に対するアンピシリン+セフトリアキソンの効果

詳しく読んでいませんが、興味深い試験です。

Nuria Fernández-Hidalgo, et al.
Ampicillin Plus Ceftriaxone Is as Effective as Ampicillin Plus Gentamicin for Treating Enterococcus faecalis Infective Endocarditis
Clin Infect Dis. (2013) 56 (9): 1261-1268


背景:
 この試験の目的は、Enterococcus faecalisによる感染性心内膜炎(EFIE)に対するアンピシリン+セフトリアキソン(AC)の効果をアンピシリン+ゲンタマイシン(AG)と比較することである。
 ACは、アミノグリコシド耐性EFIEに対して代替薬として認知されている(Eur Heart J 2009; 30:2369–413.)。

方法:
 これは、スペインの17施設、イタリアの1施設でおこなわれた非ランダム化比較試験である。modified Duke criteriaによってEFIEと診断された連続成人患者(18歳以上)を本試験に登録した。アウトカムは、治療中およびフォローアップ3ヶ月時点での死亡、治療中断を要する有害事象、抗菌薬変更を要する治療失敗、心内膜炎の再発とした。
 非ランダム化試験であり、どの抗菌薬を用いるかは主治医によって判断された。

結果:
 合計291人のEFIE患者が登録された。平均年齢は69.9歳で、71%が男性であった。Charlson index中央値は2点だった。25%がアミノグリコシド高度耐性であった。
 98人(34%)が糖尿病を有しており、85人(29%)が慢性腎不全(そのうち21人が透析患者)、42人(14%)が悪性腫瘍、21人(7%)が肝硬変を有していた。また10人(3%)が移植レシピエント、10人(3%)がHIV感染者だった。152人(52%)が医療関連の心内膜炎であった。感染源は泌尿器系(80人[28%])、カテーテル関連菌血症(37人[13%])、消化器系(34人[12%])、心臓外科手術(19人[7%])だった。全体の64%は自己弁への感染で、残りの35%が人工弁、1%がデバイス感染であった。全体の60%がコントロール不能の心不全などのため外科手術適応となった。
 抗菌薬の投与期間の中央値42日の治療終了時に77%が生存していた。彼らを中央期間11.1ヶ月フォローアップした。このフォローアップ期間で10人が心内膜炎を再発した。
 AG群に割り付けられた87人よりも、AC群に割り付けられた159人のうちの慢性腎不全を有していた患者の頻度が多かった(33% vs 16%, P =.004)。また、AC群は担癌(18% vs 7%, P = .015)、移植(6% vs 0%, P = .040)、医療関連感染症(59% vs 40%, P = .006)の頻度が多かった。
 AC群とAG群で治療されたEFIE患者の間では、死亡率に差はみられなかった(22% vs 21%, P = .81)。これは3ヶ月時点でも同様であった(8% vs 7%, P = .72)。抗菌薬変更を要する治療失敗率(1% vs 2%,P = .54)、心内膜炎の再発(3% vs 4%, P = .67)も同等であった。しかしながら、有害事象による抗菌薬中止はAG群でより多くみられた(25% vs 1%, P < .001)。これは主に腎不全によるものであった(25%以上の血清クレアチニン上昇; 23% vs 0%, P < .001)。
 アミノグリコシド高度耐性の有無によるアウトカムの差はみられなかった(データは非提示)。
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結論:
 EFIEに対するACはAGと同等の効果があり、アミノグリコシド高度耐性Enterococcus faecalisであっても腎不全のリスクを孕むことなく使用可能である。


by otowelt | 2013-04-05 21:54 | 感染症全般

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