ポビドンヨードによる胸膜癒着術は有効

 個人的には50%ブドウ糖液による胸膜癒着術がトピックなのですが、西アジアでは気胸や悪性胸水に対するポビドンヨードによる胸膜癒着術の報告が相次いでいます。

胸膜癒着術
50%ブドウ糖液による胸膜癒着術は気胸に対して有望

 Journal of Thoracic Diseaseという雑誌はまだまだ有名ではありませんが、結構興味深い記事をよく掲載しているので、Abstractだけは毎回読んでいます。

Gholamali Godazandeh, et al.
Pleurodesis with povidone-iodine, as an effective procedure in management of patients with malignant pleural effusion
Journal of Thoracic Disease, Vol 5, No 2 (April 2013)


目的:
 進行期の悪性腫瘍にみられる悪性胸水はおおむね予後不良になることが多い。基礎にある悪性腫瘍に化学療法が奏効すれば、それによって胸水がコントロールできるかもしれない。しかし抵抗性の悪性胸水に対してはタルクやブレオマイシンといった癒着剤を胸腔内へ注入して胸膜癒着術をおこなう手法がよく行われている。しかしながら、このプロスペクティブ試験では、Sari General Hospitalに2008年から2011年に入院した患者におけるポビドンヨード(Betadine)の胸膜癒着術の効果と安全性を検証することとした。

方法:
 胸腔ドレーンを通してベッドサイドでポビドンヨードを注入し胸膜癒着術を行われた36人の患者が本試験に登録された。甲状腺に対するポビドンヨードの影響を評価するため、著者は甲状腺機能を胸膜癒着術1週間前に検査した。

結果:
 この手技による反応性が26人(72.2%)の患者にみられ、7人が部分的に反応がみられた(19.4%)。治療失敗が3人(8.3%)にみられた。全体の成功率は91.6%であった。手技後に疼痛の副作用が最もよくみられ(35.9%)、次いで呼吸困難感、熱感や発熱であった。ポビドンヨードは甲状腺機能に何ら影響を与えなかった。

結論:
 悪性胸水のマネジメントにおけるポビドンヨードは、効果的で安価で安全な胸膜癒着剤である。


また、ポビドンヨードによる胸膜癒着術は、2012年5月にメタアナリシスがインドの雑誌で出ています。

Agarwal R, et al. Efficacy & safety of iodopovidone pleurodesis: a systematic review & meta-analysis. Indian J Med Res. 2012 Mar;135:297-304.

 499人の患者を対象にしたメタアナリシスでは、おおむね70%以上の成功率がみられていた。胸腔ドレーンや胸腔鏡を用いた手技による違いはみられなかった(89.6% vs 94.2%)。また、胸水であっても気胸であっても有効性に差はなかった(89.2% vs 94.9%)。
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 ただこのメタアナリシスでは、異質性および出版バイアスが有意に観察された。
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by otowelt | 2013-04-13 00:46 | 呼吸器その他

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