SPARK試験:QVA149(オンブレス/シーブリ)はシーブリ単独、スピリーバ単独と比べてCOPD急性増悪を抑制

e0156318_23175684.jpg 外来でシーブリ®の処方が増えてきている呼吸器科医も多いと思います。スピリーバ®もとても有効な薬なので、臨床的にはあまりこれらの差を感じることはありません。キャップを紛失しないという点ではスピリーバ®の方が使い勝手がよいのではないかとも思っています(シーブリ®はキャップが外れます)。
 呼吸器科医にとってUPLIFT試験などのように重要な試験名は記憶に残りますが、このSPARK試験もおそらくCOPD治療にとって大きな転換となる臨床試験の1つなので、呼吸器科医はその概要を知っておく必要があります。QVA149についてはILLUMINATE試験も記憶に新しいですね。

ILLUMINATE試験:中等度以上のCOPDに対してQVA149はアドエア®より有効

 この試験は、QVA149(インダカテロール[オンブレス®]110μg/グリコピロニウム[シーブリ®]50μg)が、グリコピロニウム50μgおよびチオトロピウム(スピリーバ®)18μgと比較して、COPD急性増悪の抑制効果に優れたという試験です。COPD治療でノバルティスファーマの躍進が続きます。

Wedzicha JA, et al.
Analysis of Chronic Obstructive Pulmonary Disease Exacerbations with the Dual Bronchodilator QVA149 Compared with Glycopyrronium and Tiotropium (SPARK): a Randomized, Double-blind, Parallel-group Study.
Lancet Respir Med 2013, in press.


背景:
 重症あるいは超重症のCOPD患者における急性増悪に対する長期吸入薬の治療効果を検証した。

方法:
 この並行群間試験では、2224人の患者(40歳以上、GOLD III-IV、1回以上の中等度のCOPD急性増悪を過去1年間に経験している)を登録し、ランダムに1:1:1の割合で1日1回のQVA149、グリコピロニウム50μg、チオトロピウム18μgに64週間割り付けた。チオトロピウムはオープンラベルのものを使用し、QVA149およびグリコピロニウムは二重盲検とした。
 プライマリ効果アウトカムは、グリコピロニウム50μgに対するQVA149の優越性とした。セカンダリ効果アウトカムは、投与期間中の中等度以上のCOPD増悪の発現頻度、チオトロピウムに対するQVA149の優越性とした。

結果:
 2010年4月27日から2012年7月11日までの間、741人の患者がQVA149、741人の患者がグリコピロニウム、742人がチオトロピウムに割り付けられた。
 QVA149群で、中等度以上のCOPD増悪の発現頻度がグリコピロニウム投与群と比較して12%減少した(年間急性増悪率 0.84 [95%信頼区間0.75—0.94] vs 0.95 [0.85—1.06]、率比0.88, 95%信頼区間0.77—0.99,p=0.038)。また、QVA149群ではチオトロピウム群と比較して有意ではないものの急性増悪率が低い傾向がみられた(p=0.096)。
e0156318_1651327.jpg
e0156318_16525970.jpg

 またトラフ1秒量について、QVA149群ではグリコピロニウム群(p<0.0001)やチオトロピウム群(p<0.0001)と比べて、いずれの時点においても有意に高値であった。
e0156318_1653046.jpg

 QOLについては、QVA149群ではSGRQ(St George's Respiratory Questionnaire)の合計スコアで、グリコピロニウム群(p<0.01)およびチオトロピウム群(p<0.05)と比較して低いスコアであった。
e0156318_16535142.jpg

 いずれの投与群でも許容できる安全性プロファイルであった。重篤な有害事象は全群間同等であった(23% vs 24% vs 22%)。

結論:
 2種類の気管支拡張薬を有するQVA149は、グリコピロニウム単独と比較して中等度以上のCOPD急性増悪を抑制する効果がある。QVA149は重症から超重症のCOPD患者の治療オプションとして有用であると考えられる。


by otowelt | 2013-04-25 00:09 | 気管支喘息・COPD

<< 肺がんWEB討論2013 MRIで中枢性肺癌と無気肺の鑑... >>