気管支洗浄液のガラクトマンナン抗原は肺アスペルギルス症の診断に有用

e0156318_9585758.jpg 呼吸器科領域ではIPAに出会うことはまれなので、血清ガラクトマンナン抗原やβ-Dグルカン以外に有力なツールがあれば心強いです。

Yuta Kono, et al.
The utility of galactomannan antigen in the bronchial washing and serum for diagnosing pulmonary aspergillosis
Respiratory Medicine, in press, doi:10.1016/j.rmed.2013.04.007


背景:
 肺アスペルギルス症は培養や細胞診といった従来の同定方法では感度の問題から診断が困難である。アスペルギルスの同定感度を改善するため、ガラクトマンナン抗原が研究されてきた。血清ガラクトマンナン抗原は侵襲性肺アスペルギルス症(IPA)を同定する有用なツールとして認識されている。しかしながら、IPA以外の肺アスペルギルス症のガラクトマンナン抗原の有用性はいまだ不明な点が多い。

方法:
 IPA以外の肺アスペルギルス症の診断のために、血清および気管支鏡による気管支洗浄液(BW)のガラクトマンナン抗原を調べた。

結果:
 45人の患者が登録され、7人が肺アスペルギルス症、そのうち5人が慢性壊死性肺アスペルギルス症、2人がアレルギー性気管支肺アスペルギルス症だった。気管支洗浄液のガラクトマンナン抗原におけるアスペルギルス同定のROC曲線下面積は0.89で、血清ガラクトマンナン抗原では0.41だった。これはすなわち、血清ガラクトマンナン抗原よりも気管支洗浄液のガラクトマンナン抗原の方が診断能が高いことを示唆している。
 肺アスペルギルス症診断について、気管支洗浄液のガラクトマンナン抗原(カットオフ値0.5以上:RCO曲線で最も妥当な値)の感度は85.7%、特異度は76.3%だった。

結論:
 IPA以外の肺アスペルギルス症の診断において気管支洗浄液のガラクトマンナン抗原は有用であると考えられる。


by otowelt | 2013-05-09 16:00 | 感染症全般

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