シプロフロキサシン・ドライパウダー吸入は気管支拡張症の細菌感染に対して有望か

e0156318_14451413.jpg シプロフロキサシンの吸入は、トブラマイシン吸入のトービイ®と同じくPulmoSphereTMを使用して吸入します。気道コロナイゼーションしている緑膿菌などの耐性化が懸念されますが、本試験でMICの上昇は数人で報告されているものの、大きくDiscussionには取り上げられていません。

Robert Wilson, et al.
Ciprofloxacin dry powder for inhalation in non-cystic fibrosis bronchiectasis: a phase II randomised study
Eur Respir J 2013; 41: 1107–1115


目的:
 この第II相ランダム化二重盲検多施設共同試験(NCT00930982)では、非嚢胞性線維症の気管支拡張症患者におけるシプロフロキサシン・ドライパウダー吸入(DPI)(PulmoSphereTMを使用:ノバルティスファーマ)の効果と安全性を検証する。
e0156318_14173977.jpg
方法:
 緑膿菌やインフルエンザ桿菌などの呼吸器系病原微生物を有する培養陽性の気管支拡張症患者を、28日間にわたってシプロフロキサシンDPI 32.5mgあるいはプラセボを1日2回吸入する群にランダムに割り付けた。安定した患者のみを登録し、血痰や非結核性抗酸菌症があったり急性増悪の既往がある場合は除外基準に該当した。
 プライマリエンドポイントを治療終了後の喀痰細菌log10CFU・g-1とし、ほかに呼吸機能検査、QOL、安全性が調べられた。

結果:
 60人の患者がシプロフロキサシンDPI 32.5mgの治療を受け、64人がプラセボの治療を受けた。シプロフロキサシンDPI群は治療終了時の喀痰細菌量が有意に減少していた(-3.62 log10 CFU・g-1 [range -9.78–5.02 log10 CFU・g-1] vs -0.27 log10 CFU・g-1 [range -7.96–5.25 log10 CFU・g-1], p<0.001)。
e0156318_14241694.jpg
 少なくとも治療期間に1回以上の増悪をきたした患者はシプロフロキサシンDPI群で22人(36.7%)、プラセボ群で25人(39.1%)と有意差はなかった(ハザード比0.802, 95%信頼区間 0.443–1.454;p=0.605)。介入を要する増悪の頻度について両群に差はみられなかった。
e0156318_14272244.jpg
 シプロフロキサシンDPI群では、35%の患者が微生物学的根絶(eradication)を達成した(vs 8%, p=0.001)。
e0156318_14312667.jpg
 安全性に問題はみられず、気管支攣縮の頻度も少なかった。

結論:
 非嚢胞性線維症患者において、シプロフロキサシンDPI 32.5mg1日2回28日間の治療は、忍容性があり有意に喀痰中の細菌量を減らすことができる。



by otowelt | 2013-05-05 12:01 | 感染症全般

<< 胸腔鏡下ブラ切除術後の気胸再発... 成人一般集団でのアジスロマイシ... >>