ATS2013:呼気に電子鼻を用いることで侵襲性肺アスペルギルス症を早期診断できる可能性がある

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なぜpossible IPAを省いてまで少ない症例数で検定したのか疑問が残りますが。電子鼻というのは初めて知りました。

M.G. Gerritsen, et al.
Detection Of Invasive Pulmonary Aspergillosis By Exhaled Breath Analysis
ATS 2013, May 19, 2013, Poster Discussion Session


背景:
 現在、より多くの血液悪性腫瘍の患者が化学療法を受けて好中球減少症をきたすようになったため、侵襲性肺アスペルギルス症(IPA)の頻度は増加している。IPAの早期診断は予後を改善させるが、初期でこれを同定する信頼性のある検査が不足している。呼気中の揮発性有機化合物の存在は多くの呼吸器疾患を鑑別できるとされている(van de Kant et al. Respir Res 2012)ため、われわれは“電子鼻”(electronic nose: eNose)を用いて呼気の解析をおこなうことで、好中球減少に伴うIPAを鑑別することができるという仮説を立てた。

方法:
 単一施設プロスペクティブコホート試験において、われわれは好中球減少症をきたすと予測される化学療法を受けた血液悪性腫瘍患者を組み込んだ。通常の基準に基づいてIPAの検査が必要とされた時点で、呼気を採取した。IPAの所見がない患者をコントロール群に設定し、probable/proven IPA症例を組み込みpossible IPA症例は除外した。呼気はCyranose 320を用いて主成分解析した。 
 プライマリエンドポイントは、診断精度とした。これはleave-one-out 交差検定でおこなった(標本群から1つの事例だけを抜き出してテスト事例とし、残りを訓練事例とする。これを全事例が一回ずつテスト事例となるよう検証を繰り返すこと)。

結果:
 46人の患者が登録され、16人がIPAの確定あるいは除外のため検査がおこなわれた。この16人に対して呼気検査が行われた。6人がIPA、5人がコントロール患者、5人がpossible IPAのため除外された。電子鼻のIPAの交差検定による診断精度は90.0%(p = 0.022、感度100%、特異度83.3%)だった。ROC解析ではAUCは0.933だった。

結論:
 電子鼻を用いた呼気解析でIPA症例を同定できる可能性がある。


by otowelt | 2013-05-19 23:28 | 感染症全般

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