ATS2013:ベースラインの6分間歩行距離が短い間質性肺疾患患者は呼吸リハビリテーションによる恩恵が大きい

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C.J. Ryerson, et al.
A Low Baseline 6MWD Predicts Greater Improvement From Pulmonary Rehabilitation In Interstitial Lung Disease
ATS 2013, May 19, 2013, Poster Discussion Session


背景:
 呼吸リハビリテーションは間質性肺疾患(ILD)患者の機能的エンドポイントを改善させることができるが、これらの効果が長期に継続するのかどうか、どういった患者がより恩恵を受けることができるのかはよくわかっていない。

方法:
 3つの呼吸リハビリテーションプログラムからILD患者をプロスペクティブに登録した。患者は機能的アセスメントを受け(6分間歩行距離、4m歩行時間)、身体活動サーベイをリハビリテーション前、リハビリ開始後6~9週間後、6ヶ月後に受けた(Rapid Assessment of Physical Activity)。プライマリアウトカムはリハビリテーション開始後の6分間歩行距離の変化とした。4m歩行時間は四肢の筋力機能評価として使用した。ベースラインからの変化はペアt検定によって比較した。6分間歩行距離の変化の独立予測因子はステップワイズ多変量線形回帰を用いて決定した。

結果:
 54人の患者が登録された(22人が特発性肺線維症)、50人(93%)がリハビリテーションプログラムを完遂した。39人(72%)が6ヶ月フォローアップをおこなえた。合計5人が試験期間中に死亡し、2人はリハビリテーション期間中に死亡した。すべての機能的エンドポイントはリハビリテーションによって改善した。
 6分間歩行距離はリハビリテーションプログラム終了後に57.6m改善した(95%信頼区間40.2-75.1m, p<0.0005)。6ヶ月時点でも49.8m改善した(95%信頼区間 15.0- 84.6m, p=0.005)。患者の多くは臨床的に意義のある最小変化量(minimal clinical important difference, MCID)をリハビリテーションプログラム終了後6分間歩行距離(68%)および6ヶ月後の6分間歩行距離(55%)で達成した。統計学的に有意な短期的利益が身体活動レベル(p<0.0005)および4m歩行時間(p=0.01)でみられた。これらの効果はIPF患者、非IPF患者で同等に観察された。ベースラインの6分間歩行距離が少ないことはリハビリテーション期間中の6分間歩行距離の改善の独立予測因子であったが(r=-0.49, p<0.0005)、呼吸リハビリテーションの効果がないと判断すべき特異的閾値は規定されていない。ベースラインの4m歩行時間不良および身体活動レベル不良はその後のこれらの項目の改善の独立予測因子であった。

結論:
 呼吸リハビリテーションは短期的にも長期的にも機能的エンドポイントを達成できる。ILD患者でベースラインの6分間歩行距離が短い患者はよりリハビリテーションの恩恵を受けることができるだろう。


by otowelt | 2013-05-19 21:34 | びまん性肺疾患

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