ATS2013:非結核性抗酸菌症に対するリネゾリドの使用

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もう少し微生物学的データが欲しかったですが、NTMの菌に対する効果はかなり長期的に観察しないと判定できないので、どうしてもこういった臨床試験になってしまうようです。

K.L. Winthrop, et al.
Linezolid In The Treatment Of Nontuberculous Mycobacterial Disease
ATS 2013, May 19, 2013, Thematic Poster Session


背景:
 非結核性抗酸菌症(NTM)は重篤な慢性の肺感染症あるいは肺外感染症を引き起こし、多剤併用治療を要する。リネゾリドは多剤耐性結核に対して有効であると報告されているが、NTMの治療に対してはその有用性を評価したデータは乏しい。

方法:
5つの北アメリカのNTM治療センターからレトロスペクティブにNTM患者を抽出した。いずれの施設でも、多剤併用治療としてリネゾリド治療を受けたNTM患者を抽出し、その臨床経過とアウトカムを調べた。

結果:
 われわれはリネゾリドを使用した71人のNTM患者を登録した。83.1%が女性、白人が81.7%で、年齢中央値は61歳(11~88歳)だった。97%が肺NTMであり、菌はMycobacterium abscessus (60.6%), Mycobacterium avium complex (MAC) (23.9%), Mycobacterium chelonae (2.8%)だった。リネゾリドに対して感受性を検査された患者は21人(29.6%)であった[M. abscessus (71.4%), M. chelonae (9.5%), Mycobacterium simiae (9.5%)]。感受性のあったものは13人(61.9%)だった。合併基礎疾患は気管支拡張症例(63.4%)、COPD(21.1%)、自己免疫疾患(9.5%)だった。リネゾリドは主にマクロライドとの併用(81.7%)、アミノグリコシドとの併用(43.7%)、フルオロキノロンとの併用(32.4%)で使用された。48人(67.6%)は毎日ビタミンB6を投与されていた[50mg (77.1%), 100mg (12.5%), <50mg daily (10%)]。リネゾリド使用期間中央値は24.1週(0.1 – 202.9週)で、80.3%が1日600mg使用していた。26人(38.0%)がリネゾリドによる副作用を経験した。内訳は、末梢神経障害46.5%、貧血18.2%、消化器症状15.2%、その他12.1%、血小板減少9.1%だった。ビタミンB6の投与の有無でも血球減少の頻度は同等だったが、末梢神経障害は有意に軽減できた。71人の患者のうち、放射線学的データは33人から抽出可能で、そのうち11人(33.3%)は改善がみられ、13人(39.4%)が不変、9人(27.8%)が悪化した。

結論:
 NTMに対してリネゾリドは忍容性があるが、副作用はビタミンB6を併用していても3分の1の患者で起こりうる。


by otowelt | 2013-05-20 03:58 | 抗酸菌感染症

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