重症ARDSに対する腹臥位療法は28日死亡率、90日死亡率を減少

e0156318_1332135.jpg 腹臥位療法についての新しい論文です。

Claude Guérin, et al.
Prone Positioning in Severe Acute Respiratory Distress Syndrome
N Engl J Med 2013. DOI: 10.1056/NEJMoa1214103


背景:
 急性呼吸促迫症候群(ARDS)患者を含んだ過去の臨床試験では、人工呼吸管理中の腹臥位療法の臨床的効果について否定的なものがある(N Engl J Med 2001;345:568-73., JAMA 2004;292:2379-87., Am J Respir Crit Care Med 2006;173:1233-9.,JAMA 2009;302:1977-84.)。われわれは、重症ARDS患者に対して早期から腹臥位療法を適応する効果について検証した。

方法:
 このフランスおよびスペインにおける多施設共同プロスペクティブランダム化比較試験において、われわれは466人の重症ARDS患者を少なくとも16時間の腹臥位療法あるいは仰臥位のままでの治療の2群に割り付けた。重症ARDSは、P/F比が150未満、人工呼吸管理は少なくともFiO20.60、PEEPが少なくとも5cmH2O、一回換気量が6ml/kg[理想体重]の状態にある患者と定義した。プライマリアウトカムは28日時点での総死亡率とした。結果:
 237人の患者が腹臥位群、229人の患者が仰臥位群に割り付けられた。28日死亡率は腹臥位群で16.0%、仰臥位群で32.8%だった(P<0.001)。腹臥位療法の死亡におけるハザード比は0.39だった(95%信頼区間0.25 to 0.63)。非補正90日死亡率は腹臥位群23.6%、仰臥位群41.0%であった(P<0.001)。これについてはハザード比は0.44 (95%信頼区間 0.29 to 0.67)。 有害事象については両群に差はみられなかったが、心肺停止が仰臥位群でやや多くみられた。

結論:
 重症ARDS患者に対する早期の腹臥位療法は有意に28日死亡率、90日死亡率を減少させる。


by otowelt | 2013-05-24 22:01 | 集中治療

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