嚢胞性線維症の生後早期のBAL中の好中球エラスターゼ活性が気管支拡張症の早期発症と関連

e0156318_16412780.jpg 小児科領域の嚢胞性線維症の歴史において重要な報告だと思います。

Peter D. Sly, et al.
Risk Factors for Bronchiectasis in Children with Cystic Fibrosis
N Engl J Med 2013;368:1963-70.


背景:
 気管支拡張症は嚢胞性線維症の発症初期にみられ、時に生後10週の新生児にも同定されることが知られている。われわれは気管支拡張症発症の危険因子を同定するため、Australian Respiratory Early Surveillance Team for Cystic Fibrosis:AREST CFサーベイランスプログラムのデータで検討した。

方法:
 連続した127人の新生児スクリーニング後の嚢胞性線維症患者を登録した。生後3ヶ月、1歳、2歳、3歳時点で、病態が安定しているときに胸部CTおよび気管支肺胞洗浄(BAL)を施行した。生後3ヶ月から3歳までに同定できた気管支拡張症に関連するリスクファクターを調べた。

結果:
それぞれの時期における気管支拡張症の点有病率は、生後3ヶ月時の29.3%から3歳時ので61.5%まで上昇傾向にあった。多変量解析において、気管支拡張症のリスクファクターは、胎便イレウスを発症していること(オッズ比 3.17、95%信頼区間1.51~6.66、P=0.002)、胸部CTおよびBAL実施時の呼吸器症状(オッズ比 2.27、95%信頼区間1.24~4.14、P=0.008)、BAL液中の遊離好中球エラスターゼ活性(オッズ比 3.02、95%信頼区間1.70~5.35、P<0.001)、胸部呼気CTでのエアトラッピング像(オッズ比 2.05、95%信頼区間1.17~3.59、P=0.01)だった。
 生後3ヶ月時点でのBAL中の遊離好中球エラスターゼ活性は、遷延性の気管支拡張症(合計2回の連続胸部CTでの同所見があること)と関連しており、生後12ヶ月で7倍、3歳で4倍のオッズ比だった。
結論:
 嚢胞性線維症の患児における生後早期のBAL中の遊離好中球エラスターゼ活性が、気管支拡張症の早期発症と関連していることがわかった。


by otowelt | 2013-05-29 00:21 | 呼吸器その他

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