吸入ステロイド薬の使用は肺炎随伴性胸水を減少させる

e0156318_9332154.jpg COPDや気管支喘息に対する吸入ステロイド薬の利点の側面について述べた論文です。

Jacobo Sellares, et al.
Influence of Previous Use of Inhaled Corticoids on the Development of Pleural Effusion in Community-acquired Pneumonia
American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine, Vol. 187, No. 11 (2013), pp. 1241-1248.


背景:
 慢性閉塞性肺疾患患者における吸入ステロイド薬(ICS)の過去の使用は、市中肺炎の増加と関連していると考えられている。しかしながら、ICSは肺炎の合併症を軽減し、肺炎関連死亡リスクを減少させるとされている。

目的:
 この試験の目的は、さまざまな呼吸器疾患を有する患者におけるICS使用の既往が肺炎随伴性胸水に与える影響を調べたものである。

方法:
 われわれは単施設コホート試験をおこない3612人の連続した市中肺炎患者を登録した。臨床的、放射線学的、胸水生化学検査、微生物学的検査を実施した。患者はICSを使用したことがある群とそうでない群に分けて解析された。

結果:
 633人の患者(17%)が肺炎の診断前にICSを使用していた(COPD:54%、気管支喘息:13%)。肺炎随伴性胸水はICSを使っていた場合に有意に少なかった(5% vs. 12%; P < 0.001)。傾向スコアマッチ(640人)の後でも、ICSを使用することはICSを使用していない患者と比較して有意に肺炎随伴性胸水を減少させた(オッズ比0.40; 95%信頼区間0.23–0.69; P = 0.001)。ICS使用の既往は、胸水生化学検査において胸水糖上昇(P = 0.003)、高pH (P = 0.02)、低タンパク血症(P = 0.01)、低LDH(P = 0.007)と関連していた。

結論:
 さまざまな慢性呼吸器疾患に対するICSの過去の使用は、肺炎患者において肺炎随伴性胸水の減少と関連していた。


by otowelt | 2013-06-07 00:19 | 気管支喘息・COPD

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