ALK陽性非小細胞肺癌におけるクリゾチニブは標準的化学療法より有効

e0156318_21153247.jpg NEJMから、online firstの報告です。
呼吸器科医、腫瘍内科医の間でもザーコリ®の処方が増えてきているようですね。

Alice T. Shaw, et al.
Crizotinib versus Chemotherapy in Advanced ALK-Positive Lung Cancer
N Engl J Med 2013. DOI: 10.1056/NEJMoa1214886


背景:
 ALK再構成がある肺癌に対して、ALK阻害薬であるクリゾチニブは臨床的に著明な効果をもたらすとされている。クリゾチニブが標準的化学療法に優越性があるのかどうかはわかっていない。

方法:
 われわれは、クリゾチニブと化学療法を比較する第III相オープンラベル試験をおこない、347人のALK陽性局所進行非小細胞肺癌患者を登録した。ALK再構成はFISHにより同定された。患者は過去に白金製剤による化学療法を受けた既往を有し、病勢増悪がみられたものとした。PSは0~2、脳転移は臨床的に安定しているものは容認した。
 患者はランダムに経口クリゾチニブ250mg1日2回の投与する群あるいはペメトレキセド(500mg/m2)あるいはドセタキセル(75mg/m2)を3週ごとに点滴静注する群にランダムに割り付けられた。化学療法群の患者は病勢増悪時にクリゾチニブへクロスオーバーが可能とした。プライマリエンドポイントは無増悪生存期間とした。

結果:
 347人がランダム化され、1:1にクリゾチニブ群と化学療法群に割り付けられた。化学療法群のうち、99人がペメトレキセド、72人がドセタキセルを受けた。大部分の患者が65歳よりも若く、非喫煙者で腺癌が多かった。
 化学療法群の無増悪生存期間中央値3.0ヶ月に対して、クリゾチニブ群は7.7ヶ月だった(ハザード比0.49、95%信頼区間0.37~0.64、p<0.001)。奏効率はそれぞれ65%(95%信頼区間58~72)、20%(95%信頼区間14~26)だった(p<0.001)。
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(文献より引用)

 中間解析において全生存期間に両群で差はみられなかった(ハザード比1.02、95%信頼区間0.68~1.54、p=0.54)。
 クリゾチニブの有害事象は、視覚障害、消化器系副作用、トランスアミナーゼの上昇であり、化学療法群での有害事象は疲労感や脱毛、呼吸困難などであった。
 肺癌による症状の軽減やQOLの改善は化学療法群よりクリゾチニブ群でよくみられた。
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(文献より引用)

 図は咳嗽、呼吸困難、胸痛といった3症状による混合アウトカムによる増悪までの期間をKaplan-Meier法で示したもの。クリゾチニブ群の増悪までの中央期間は5.6ヶ月であり、化学療法群では1.4ヶ月だった。
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(文献より引用)

結論:
 既治療例のALK陽性進行非小細胞肺癌において、クリゾチニブは標準的化学療法に優越性である。


by otowelt | 2013-06-06 00:35 | 肺癌・その他腫瘍

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