ペメトレキセド投与前にビタミンを補充することは本当に必要か?

e0156318_1730811.jpg 明らかに食事からビタミンや葉酸をしっかり摂取できている人に本当に補充が必要なのかと懐疑的な部分もあります。
 いずれにしても少なくとも”1週間前”に投与しなければならない意義が乏しいことは医学的には明白だろうと思います。

Young Saing Kim, et al.
The optimal duration of vitamin supplementation prior to the first dose of pemetrexed in patients with non-small-cell lung cancer.
Lung Cancer. 2013 May 14. pii: S0169-5002(13)00161-X. doi: 10.1016/j.lungcan.2013.04.011


背景:
 葉酸やビタミンB12補充は、ペメトレキセド治療において推奨されているが、治療開始前の適切な補充期間についてはよくわかっていない。

方法:
 われわれは進行非小細胞肺癌(NSCLC)でペメトレキセド単独治療を受けた350人の患者の1サイクル目における副作用を解析した。患者は2群に分けられた。すなわち、A群:ペメトレキセド開始5~14日前にビタミン補充、B群:ペメトレキセド開始4日前にビタミン補充。

結果:
 A群には294人の患者、B群には56人の患者が割り付けられた。ペメトレキセド投与サイクルの中央値は両群とも同等であった。1サイクル目のペメトレキセド投与によって、A群もB群も同等の白血球減少(6.1% vs. 5.4%, P=1.00)、好中球減少(5.1% vs. 3.6%, P=1.00)、血小板減少(3.1% vs. 7.1%, P=0.14)、発熱性好中球減少症(0.7% vs. 0%, P=1.00)、疲労感(20.1% vs. 19.6%, P=0.94)、食思不振(15.0% vs. 21.4%, P=0.23)が観察された。入院必要性(4.4% vs. 5.4%, P=0.73)やペメトレキセドによる副作用のための予期せぬ来院(8.2% vs. 12.5%, P=0.31)にも差はみられなかった。
 多変量ロジスティック回帰分析では65歳以上の患者(オッズ比3.49; 95%信頼区間 1.12–10.86)、PS不良(オッズ比3.96; 95%信頼区間1.12–14.03)はグレード3あるいは4の血液毒性の有意な予測因子であった。

結論:
 1サイクル目のペメトレキセド投与前のビタミン補充はペメトレキセドによる毒性の発症に影響しない。これはすなわち、ビタミン補充によってペメトレキセドによる化学療法開始を遅らせるべきではないということである。


by otowelt | 2013-06-13 00:25 | 肺癌・その他腫瘍

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