TNF阻害薬はレジオネラ症のリスク

e0156318_2143291.jpg 限られた文字数のタイトルではニュアンスは伝えられなかったのですが、あくまでTNF阻害薬を使用している患者におけるレジオネラ症を調べたものです。

F. Lanternier, et al.
Incidence and risk factors of Legionella pneumophila pneumonia during anti-TNF therapy: a prospective French study
Chest. 2013. doi:10.1378/chest.12-2820


背景:
 われわれはTNF-α阻害薬の治療を受けている最中に発症したレジオネラ症を調べた。

目的:
 TNF阻害薬の使用に関連したレジオネラ症の発症とリスク因子を記述すること。

方法:
 2004年2月1日から2007年1月31日までの間、われわれはプロスペクティブにTNF阻害薬を投与されているフランス人のうち、レジオネラ症の症例をプロスペクティブに登録した。症例対照解析としてフランス人の集団から本登録症例1人につき4人のTNF阻害薬を投与されているコントロール患者を設定した。

結果:
 27人のレジオネラ症が登録された。全例発熱と肺炎がみられた。8人の患者は両側の肺炎を呈しており、2人は胸水を合併していた。7人の患者は急性呼吸促迫症候群に陥った。ほとんどの患者はレジオネラ1型であり、1人の患者が4型、1人の患者が7型のレジオネラ症だった。
 年齢および性別で補正した場合、TNF阻害薬を投与されている患者におけるレジオネラ症の年間罹患率は10万人年あたり46.7 (95%信頼区間0.0–125.7)だった。
 標準化罹患比(SIR)は13.1 (95% CI 9.0–19.1; p<0.0001)で、インフリキシマブ投与中の患者(SIR 15.3 [95%信頼区間8.5–27.6; p<0.0001])あるいはアダリムマブ投与中の患者(SIR 37.7 [95%信頼区間21.9–64.9, p<0.0001])はエタネルセプト投与中の患者よりも(SIR 3.0 [95%信頼区間 1.00–9.2, p=0.06])高かった。
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 症例対照解析において、アダリムマブの曝露(オッズ比8.7 [95%信頼区間2.1–35.1])あるいはインフリキシマブの曝露(オッズ比9.2 [95% CI 1.9–45.4])はエタネルセプトと比較するとレジオネラ症の独立リスク因子であった。

結論:
 TNF阻害薬を投与されている患者におけるレジオネラ症の罹患率は高く、特に抗TNF-αモノクローナル抗体を受けている患者ではリスクが高かった。TNF阻害薬を投与されている患者の肺炎では、特異的抗原を検査し、レジオネラ症をカバーする抗菌薬を投与すべきである。


by otowelt | 2013-06-28 00:12 | 感染症全般

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