COPD急性増悪時に抗菌薬を用いない場合の治療失敗を予測する因子

この論文におけるCRP40mg/Lというのは、日本の場合4mg/dLです。

Marc Miravitlles, et al.
Is it possible to identify exacerbations of mild to moderate COPD that do not require antibiotic treatment?
Chest. 2013. doi:10.1378/chest.13-0518


背景:
 Anthonisenの分類はCOPD急性増悪における抗菌薬の必要性の指標として使われている。われわれは、軽度から中等度のCOPD急性増悪において抗菌薬の治療必要性がない状況を最大限予測する方法を評価した。

方法:
 軽度から中等度のCOPD患者に対するアモキシシリン/クラブラン酸を使用したランダム化比較試験の患者のうち、プラセボ群の152人の患者のデータを用いた。多変量ロジスティック解析によって、Anthonisenの分類の臨床的パラメータおよび血清CRP値のオッズ比を算出した。
 カットオフ値は過去の報告(Am J Respir Crit Care Med2012; 186: 716-723.)よりもっとも予後予測に優れている点を選定した。

結果:
 ほとんどの患者はI型のCOPD急性増悪あるいはII型の急性増悪であった(それぞれ29.6%、47.4%)。CRP中央値は17 mg/Lだった。
 抗菌薬を用いない場合の臨床的な治療失敗は19.9%の患者にみられ、アモキシシリン/クラブラン酸群の9.5%より多かった(p=0.022)。
 抗菌薬を用いない場合の臨床的な治療失敗のリスクを上昇させる因子は喀痰の膿性度と(オッズ比=6.1, 95%信頼区間1.5 to 25.0; p=0.005)、血清CRP濃度≥40 mg/L (オッズ比=13.4, 95%信頼区間4.6 to 38.8; p<0.001)だった。両方のファクターがあれば、抗菌薬を用いない場合の臨床的治療失敗は63.7%にものぼった。
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(文献より引用)

 Anthonisenの分類は、臨床的アウトカムを予測する上でAUCが0.708 (95%信頼区間 0.616 - 0.801)だった。CRPデータを加えると、AUCは0.842(95% CI: 0.76 – 0.924)に上昇した(p<0.001)。
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(文献より改変引用)

結論:
 Anthonisenの分類のうち、喀痰の膿性度が抗菌薬を用いない場合の臨床的な治療失敗を予測した。血清CRP値を用いると失敗の予測能が上昇した。これら2つのパラメータを使用することで、抗菌薬によって恩恵が受けられる患者を同定することができるだろう。


by otowelt | 2013-07-05 00:46 | 気管支喘息・COPD

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