喀痰中NGALはCOPDと気管支喘息のオーバーラップ患者を推定できるツール

e0156318_19264495.jpg COPDと気管支喘息の合併を推定できるバイオマーカーの報告です。とても貴重な報告だと思います。

Iwamoto H, et al.
Differences in plasma and sputum biomarkers between COPD and COPD-asthma overlap
ERJ, Published online before print June 21, 2013, doi: 10.1183/09031936.00024313


背景:
 COPDと気管支喘息のオーバーラップの病態生理はほとんどわかっておらず、このオーバーラップをもった患者の血清あるいは喀痰のバイオマーカーについては臨床試験がない。

方法:
 オーバーラップおよびCOPDあるいは気管支喘息の共通点や相違点を明らかにするため、われわれは4つのCOPDの潜在的バイオマーカーを測定した。すなわち、SP-A、soluble receptor for advanced glycation end-products(sRAGE)、ミエロペルオキシダーゼ(MPO)、好中球ゼラチナーゼ関連リポカリン(NGAL)である。SP-AとsRAGEは肺胞上皮細胞由来のマーカーであり、MPOとNGALは好中球由来のものであるが、NGALは気道の上皮細胞にも発現している。
 COPDと気管支喘息のオーバーラップの診断は、それぞれの診断を同時に満たす症例と定義した。

結果:
 血清SP-AおよびsRAGEと、誘発喀痰中のMPOとNGALが134人において測定された。134人のうち、非喫煙者が26人、喫煙者が23人、気管支喘息が32人、COPDが39人だった。そして、COPDと気管支喘息のオーバーラップは14人いた。
 COPD患者およびオーバーラップ患者の喀痰中MPOと血清SP-Aは有意に上昇していたが、一方で血清sRAGEは気管支喘息患者と比較して減少していた(COPD:715.8 ± 51.2、オーバーラップ:790.6 ± 81.8 pg/ml、それぞれp = 0.025、p = 0.013)。COPD患者と比較して、喀痰中のNGALのみがオーバーラップ患者で上昇しており(9.1 ± 2.2 μg/ml)、p = 0.00016)、これはCOPD患者と鑑別できるバイオマーカーであった。
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(文献より引用)

結論:
 誘発喀痰中のNGALレベルはCOPDと気管支喘息のオーバーラップを示唆する特徴であり、好中球性の気道炎症と気道の上皮細胞障害をあらわしているものと考えられる。


by otowelt | 2013-07-07 00:10 | 気管支喘息・COPD

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