肺癌患者の病原微生物の気道コロナイゼーションが及ぼす影響

e0156318_9152653.jpg 肺癌を明らかに疑っている際には、気管支鏡検体をルーチンで培養検査に出していないので、個人的にはインパクトのある論文でした。

Sophie Laroumagne, et al.
Bronchial colonisation in patients with lung cancer: a prospective study
ERJ July 1, 2013 vol. 42 no. 1 220-229


背景:
 肺癌患者における気管支の微生物のコロナイゼーションはしばしば報告されており、肺癌の治療や予後に潜在的な影響を与える。われわれはプロスペクティブに肺癌診断時の気管支コロナイゼーションについて調べた。

方法:
 肺癌の診断に際して気管支鏡を受けた210人の連続した肺癌患者を調べた。同定された細菌、抗酸菌、真菌のコロナイゼーションを肺癌の組織型と比較した。

結果:
 病原性微生物は48.1%の検体にみられた。
・グラム陰性桿菌:大腸菌8.1%、インフルエンザ桿菌4.3%、エンテロバクター2.4%
・グラム陽性球菌:ブドウ球菌12.9%、肺炎球菌3.3%
・非結核性抗酸菌:2.9%
・カンジダ:42.9%
・アスペルギルス:6.2%
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(文献より引用)
 高齢の患者(p=0.02)やCOPD患者(p=0.008)は有意にコロナイゼーションが多かった。しかしながら、病期、無気肺、気管支狭窄、胸部レントゲン異常といった項目はコロナイゼーションの頻度を上昇させなかった。組織型では、扁平上皮癌が最もコロナイゼーションの頻度が多かった。
 肺癌患者全体の約半数が気管支に微生物のコロナイゼーションを有しており、予後不良と関連していた(p=0.005)。コロナイゼーションのある患者は10.7ヶ月で半数が死亡した。
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(文献より引用)

結論:
 肺癌診断時の気管支内の微生物コロナイゼーションは、肺癌のマネジメントにおいて役立つかもしれない。


by otowelt | 2013-07-10 00:05 | 肺癌・その他腫瘍

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