肺高血圧症を有するARDSに対してイロプロスト吸入はガス交換能を改善

e0156318_8533380.jpg ARDS+肺高血圧症に対するイロプロストの試験です。

Eva Sawheny, et al.
Iloprost Improves Gas Exchange in Patients With Pulmonary Hypertension and ARDS.
CHEST 2013; 144(1):55–62


背景:
 われわれは、肺高血圧症とARDSを有する患者におけるイロプロストのネブライザー吸入が換気血流マッチを改善させるかどうか検証した。

方法:
 ARDSと肺高血圧症(安静時平均圧25mmHg以上、収縮期圧35mmHg以上)がある患者を登録した。人工呼吸器に持続的に装着した状態で、血行動態、気道内圧、ガス交換能をベースラインおよびイロプロスト10mgのネブライザー吸入30分後に測定し、比較した。さらに30分後、イロプロスト20mgの投与をおこない、2回目の投与から2時間後に最終評価をおこなった。
 プライマリアウトカムはPaO2の変化とし、セカンダリアウトカムはP/F比、平均動脈圧、肺コンプライアンスとした。

結果:
 インフォームドコンセントを取得したのち、20人のARDS患者(男性9人、女性11人、年齢中央値59歳[IQR44~66])が登録された。
 ベースラインのPaO2平均±SD 82±13mmHgから、1回目および2回目のイロプロスト投与後には100±25mmHgに上昇がみられた。平均P/F比±SDは177±60から213±67、212±70に改善(すべてP<.01)。
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(文献より引用)

 PaCO2、ピークおよびプラトーの気道内圧、収縮期血圧、心拍数はイロプロストによる有意な変化は観察されなかった。
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(文献より引用)

結論:
 ARDS患者に対するイロプロストによるネブライザー吸入は、肺メカニクスあるいは全身血行動態に対する害をもたらさずにガス交換能を改善させることができる。


by otowelt | 2013-07-12 00:26 | 集中治療

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