LUX-Lung3試験:EGFR遺伝子変異陽性の進行非小細胞肺癌におけるアファチニブの有効性

e0156318_2055445.jpg 今年のASCOではLUX-Lung6試験において、アファチニブはシスプラチン+ゲムシタビンと比較してPFSの延長や奏効率の改善が報告されました。
 Lux-Lung3試験がJCOで論文化されたので少し読んでみました。

Lecia V. Sequist, et al.
Phase III Study of Afatinib or Cisplatin Plus Pemetrexed in Patients With Metastatic Lung Adenocarcinoma With EGFR Mutations
JCO, Published online before print July 1, 2013, doi: 10.1200/JCO.2012.44.2806


背景:
 LUX-Lung3試験は、stage IIIBあるいはIVの非小細胞肺癌における、アファチニブとシスプラチン+ペメトレキセドのランダム化非盲検第3相臨床試験である。アファチニブは、不可逆的ErbBファミリー阻害薬で、ErbB2(HER2)を含むすべてのErbBファミリーキナーゼと不可逆的に結合する。第2相試験において、アファチニブはEGFR遺伝子変異陽性肺腺癌に対して高い奏効率と無増悪生存期間(PFS)をもたらした。

方法:
 患者は、EGFR遺伝子変異を有するstage IIIB or IVの非小細胞肺癌の345人の患者が上記に2:1にランダム化割り付けされた。患者は遺伝子変異型(exon 19 deletion, L858・・・など)や人種(アジア人あるいは非アジア人)で層別化された
 アファチニブは40mg/日、シスプラチン+ペメトレキセドは6サイクルまで21日ごとに投与された。プライマリエンドポイントはPFSに設定された。セカンダリエンドポイントとして全生存期間(OS)、有害事象、患者が報告したアウトカムとした。

結果:
 ベースラインの患者特性に差はみられず、年齢中央値は61歳で、女性が65%、アジア人が75%、非喫煙者68%であった。EGFR遺伝子変異の内訳はexon19 deletion 49%、L858R 40%であった。アファチニブ群において有意にPFSの延長がみられた(median 11.1 vs 6.9ヶ月; HR 0.58 [95%信頼区間0.43–0.78]; p=0.0004)(A)。308人のexon 19 deletion あるいはL858R point mutationの患者においてPFS中央値は13.6 vs 6.9ヶ月であった(HR=0.47 [95%信頼区間0.34–0.65]; p<0.0001)(B)。客観的奏効率は有意にアファチニブ群でよかった(56% vs 23%; p<0.0001)。
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(文献より引用)

 アファチニブによる、癌関連症状の悪化までの期間の有意な延長も確認された。咳嗽(HR=0.60, p=0.0072)。呼吸困難(HR=0.68, p=0.0145)。
 アファチニブ群における主な有害事象は、下痢(95%)、発疹(62%)、爪囲炎(57%)。化学療法群の主な有害事象は、悪心(66%)、食欲減退(53%)、嘔吐(42%)であった。

ディスカッション:
 アファチニブ群で、特に最も一般的なEGFR変異がある患者群において、PFSが化学療法群と比較してほぼ2倍に延長することが示された。アファチニブはこの特徴的な癌患者集団に対して有効な治療選択肢の1つになる可能性がある。
 またアファチニブ投与患者では、疾患が進行するまでの期間が延長した。すなわち、ADLを制限する癌関連症状についても、良好にコントロールすることができ、QOLの観点からもアファチニブは優れている。

結論:
 IIIBあるいはIV期のNSCLCの患者において、特にEGFR遺伝子変異陽性の場合、PFSがシスプラチン+ペメトレキセドよりも有意に延長する。


by otowelt | 2013-07-15 00:01 | 肺癌・その他腫瘍

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