7価肺炎球菌ワクチン導入によって肺炎による入院が減少

e0156318_12181276.jpg 肺炎球菌ワクチンが導入された前後の肺炎の入院アウトカムについて論じた報告です。

Marie R. Griffin, et al.
U.S. Hospitalizations for Pneumonia after a Decade of Pneumococcal Vaccination
N Engl J Med 2013; 369:155-163


背景:
 2000年にアメリカの小児ワクチン接種計画に7価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV7)が導入され、ワクチン血清型の侵襲性肺炎球菌疾患の発生率が大幅に低下している。2004年までに小児ではあらゆる原因による肺炎による入院も著明に減少した。ワクチン血清型以外の血清型による疾患の増加が危惧されており、小児の肺炎関連入院の減少が2009年まで持続していたかどうか検証した。

方法:
 アメリカでのNationwide Inpatient Sample(NIS)データベースによって、全原因の肺炎による入院の年間発生率を推定した。PCV7導入前の1997~1999年と導入後7年を経た2007~2009年の肺炎関連入院の平均年間発生率を用いて、肺炎による入院の年間減少率を推定した。

結果:
 2歳未満の小児の肺炎入院年間発生率は、10万人あたり551.1人(95%信頼区間445.1~657.1)減少した。これはPCV7導入前の発生率に基づき予測された年間入院数よりも47000人少なかったことになる。
 85歳以上の成人高齢者の入院発生率は10万人あたり1300.8 例(95%信頼区間984.0~1617.6)減少し、予測された年間入院数よりも73000例少なかった。
 18~39歳、65~74歳、75~84歳の3年齢層における肺炎入院年間発生率はそれぞれ10万人あたり8.4人(95%信頼区間0.6~16.2)、85.3人(95%信頼区間7.0~163.6)、359.8人(95%信頼区間199.6~520.0)減少した。
 年齢補正後の年間減少率は10万人あたり54.8人(95%信頼区間41.0~68.5)と推定された。言い換えると、肺炎による入院は、年間で168000人少なかった計算になる。

結論:
 肺炎による小児の入院の減少は、PCV7導入後10年間持続させることができた。また、成人の肺炎による入院に対しても、大幅な減少が観察された。


by otowelt | 2013-07-17 00:57 | 感染症全般

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