システマティックレビュー:胸部鈍的外傷に対する非侵襲的換気は挿管を回避できる可能性がある

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 胸部外傷に対する非侵襲的換気(NIV)についてのシステマティックレビューです。

Abhijit Duggal, et al.
The safety and efficacy of noninvasive ventilation in patients with blunt chest trauma: a systematic review
Critical Care 2013, 17:R142 doi:10.1186/cc12821



背景:
 この論文は、急性肺傷害(ALI)のリスクが高い胸部鈍的外傷患者に対する非侵襲的陽圧換気(NPPV)、持続性陽圧換気(CPAP)を含んだ非侵襲的換気(NIV)の安全性と効果を検証したシステマティックレビューである。

方法:
 MEDLINE, EMBASE, CENTRALデータベースを検索した。信頼性のある臨床データを有する臨床試験を抽出し、ニューキャッスル・オタワ・スケールを用いて比較試験の質を評価した。

結果:
 このシステマティックレビューでは9試験が登録された(3つがランダム化比較試験、2つがレトロスペクティブコホート試験、4つが比較群のない観察研究)。外傷重症度、低酸素血症の程度、登録のタイミングなどで有意な異質性が確認された。1試験は呼吸不全に陥る前からNPPVを使用していたが、そのほかの試験はすべて呼吸不全に陥ってからNPPV/CPAPを使用していた。
 NIV群の18%の患者が挿管を要した。NIVの期間は試験によってまちまちであったが、NIV使用そのものは有意な死亡リスク上昇にはつながらなかった。4つの観察研究では、NIVと挿管・人工呼吸管理を比較した場合、ICU在室期間の短縮(5.3-16日 vs 9.5-15日)、合併症の減少(0-18% vs 38-49%)、死亡率の減少(0-9% vs 6-50%)に寄与していた。

結論:
 呼吸不全を有していなくても胸部鈍的外傷に対する早期のNIVは挿管を回避できる可能性があり、合併症やICU在室期間を減らすことができる。挿管を回避するためにNIVを使用すべきかどうかは議論の余地があり、現時点では高いエビデンスは得られない。


by otowelt | 2013-07-30 00:12 | 集中治療

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