好酸球性肺炎における気管・気管支の結節は疾患重症度を反映

e0156318_2331765.jpg Respiratory Investigationより、当院の医師の論文をご紹介します。宣伝で恐縮ですが、当院は多岐に渡る呼吸器疾患を診療している病院でありながら、非常に論文執筆が盛んで毎年20本程度の医学論文を発表しています(http://www.hosp.go.jp/~kch/depart/ronbun.html)。

Matsuda Y, et al.
Tracheobronchial lesions in eosinophilic pneumonia
Respiratory Investigation, published online 15 July 2013.


背景:
 好酸球性肺炎(EP)は、肺実質における好酸球の浸潤に特徴付けられる疾患である。しかしながら、この疾患における気管・気管支の病変についてはほとんど報告がない。EP症例における気管・気管支病変を有する症例の頻度と特徴を明らかにするため、EP患者をレトロスペクティブに調べた。

方法:
 われわれは近畿中央胸部疾患センターにおいて2004年1月から2007年12月まで36人のEP患者を登録した。気管・気管支の結節病変の頻度と臨床的特徴を解析した。
 CEPは(Nihon Kokyuki GakkaiZasshi 2002;40:851–5)を改変した基準を使用し、本試験に組み込んだ。

結果:
 36人のうち、29人が慢性好酸球性肺炎(CEP)であり、1人が急性好酸球性肺炎、3人が薬剤性好酸球性肺炎、2人がアレルギー性気管支肺アスペルギルス症、1人が寄生虫関連好酸球性肺炎であった。29人のCEPのうちの2人のみに気管・気管支病変が観察された。これら2症例のいずれも、気管支鏡下で気管・気管支粘膜に多発性の白色結節がみられた。組織病理学的所見は、扁平上皮化生と上皮下の好酸球浸潤であった。いずれの症例も結節はステロイド治療後に消失した(写真はステロイド投与40日目に病変が消失していた症例)。
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(文献より引用)

 気管・気管支の病変はCEP患者、6.9%、EP患者の5.6%に観察された。EP患者を3群、すなわち結節を有するCEP(2人)、結節を有さないCEP(27人)、その他のEP(7人)に分けた場合、結節のあるCEP群は呼吸器症状が高頻度にみられ、白血球数、末梢血および気管支肺胞洗浄液中の好酸球が他の群よりも高かった。

結論:
 EP患者において気管・気管支の結節性病変はまれながらも観察され、重症の病態を反映しているものと考えられた。


by otowelt | 2013-08-06 00:05 | 気管支鏡

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