MAC抗体は肺MAC症診断に有用、特に将来の培養陽性例には高感度

e0156318_11144158.jpg キャピリアMACが2012年秋に保険収載されたこともあり、肺MAC症の診断において補助的にMAC抗体を測定している呼吸器科医が増えています。日本では0.5U/mLや0.7U/mLがカットオフ値として使用されていますが、おおむね特異度は90%以上と覚えています。
 アメリカにおけるMAC抗体の論文です。この論文のROCでは、カットオフ値が0.7U/mLよりも0.3U/mLの方がよさそうに見えます。

Seigo Kitada, et al.
Serodiagnosis of Mycobacterium avium complex pulmonary disease in the USA
ERJ August 1, 2013 vol. 42 no. 2 454-460


背景:
 肺Mycobacterium avium complex感染症(MAC-PD)の診断は難しい。過去の日本の報告では、MAC-PDに対する血清学的な有用性が評価された(Am J Respir Crit Care Med 2008; 177: 793–797.)。この試験では、同様の試験においてアメリカにおける血清学的診断の有用性を評価する。

方法:
 100人のMAC-PDと診断がついている患者と、52人の健常ボランティアを登録した。血清グリコペプチドコア免疫グロブリンA抗体レベルが酵素免疫法(EIA)によって測定された(Tauns Laboratory Inc., Shizuoka, Japan)。

結果:
 患者は2群に分けられ評価された。87人はMAC-PDでATS基準を満たしたもの、13人はこの基準を満たしていないもの。MAC-PDを同定する上での血清学的診断(カットオフ値0.3U/mL)は感度70.1%、特異度93.9%であった。日本で使用されている0.7U/mLのカットオフ値の場合、感度が50%にまで落ち込んでしまった。
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(文献より引用)

 また、6ヶ月で2回以上喀痰培養が陽性になった44人のMAC-PD患者では感度は81.8%だった。

結論:
 EIAによるMAC-PDの血清学的診断は感度・特異度ともに良好であった。特に、喀痰培養が複数回陽性である患者では早期MAC-PD診断に有用であるかもしれない。


by otowelt | 2013-08-02 00:47 | 抗酸菌感染症

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