慢性咳嗽に対する鎮咳薬のシステマティックレビューとメタアナリシス

e0156318_11335545.jpg 慢性咳嗽に関する鎮咳薬の効果を検討したシステマティックレビューとメタアナリシスです。やはり試験の内容がバラバラですね。
 個人的にはエビデンスが最も多いデキストロメトルファン(メジコン®)を6錠分3で使用することが多いです。

Yancy WS, et al.
Efficacy and tolerability of treatments for chronic cough: a systematic review and meta-analysis.
Chest. 2013 Aug 8. doi: 10.1378/chest.13-0490. [Epub ahead of print]


背景:
 原因のはっきりしない難治性咳嗽(慢性咳嗽)に対する治療を知ることは、同集団における咳嗽治療と潜在的副作用の知識を向上させる上で極めて重要なことである。しかしながら、鎮咳薬に関する臨床試験はその薬剤の多さと試験の質から結果が不透明であり、これまで確立された慢性咳嗽の治療は存在しなかった。

方法:
 われわれは、2012年6月までに出版された慢性咳嗽に関する治療の英語文献の検索をおこなった。2人の独立した研究者がアブストラクトおよび全文をスクリーニングし、そのデータと試験の質を抽出した。ランダム効果モデルによるメタアナリシスによって慢性咳嗽に対する鎮咳薬の効果の程度を検証した。

結果:
 われわれは49の試験(3067人)を登録し、68の比較治療群を同定した。
 プラセボと比較して、オピオイドの効果量(effect size)(咳嗽重症度と咳嗽頻度の率比[RR]に対する標準化平均差:SMD)は咳嗽重症度:0.55 (95%信頼区間0.38 to 0.72; p<0.0001)、咳嗽頻度:0.57 (95%信頼区間 0.36 to 0.91; p=0.0260)で、デキストロメトルファンはそれぞれ0.37 (95%信頼区間0.19 to 0.56; p=0.0008)、0.40 (95%信頼区間0.18 to 0.85; p=0.0248)だった。粘液溶解薬やモグイステインについては有意差はみられなかった。
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咳嗽重症度(上)と咳嗽頻度(下)(文献より引用)

 メタアナリシスに組み込んだ試験は、咳嗽重症度と咳嗽頻度のいずれに対しても異質性がみられた(それぞれp=0.0152、p=0.0231)。不一致した臨床試験、臨床的な印象で決定している点、直接比較したものが少ない点などを考慮すると総じて限定的なエビデンスと言わざるを得ない。

結論:
 エビデンスは限定されるものの、オピオイドと非オピオイド・非麻薬性鎮咳薬は成人の慢性咳嗽に対して有用と考えられる。原因のはっきりしない難治性咳嗽に対してより質の高い臨床試験が望まれる。


by otowelt | 2013-08-12 11:39 | 呼吸器その他

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