Xpert® MTB/RIFは結核性胸膜炎を診断する上で感度が低い

e0156318_9385426.jpg 昨年のERJに肺外結核に対するXpert® MTB/RIFの報告がありました。

肺外結核におけるXpert MTB/RIFは良好な診断能

 Xpertの胸水検体に関する報告は、上記のERJ以外にも過去にいくつかあります。そのいずれも特異度は100%なのですが、感度は20~30%止まりです(J Clin Microbiol 2011; 49: 4341– 4342.、J Clin Microbiol 2012; 50: 513–515.)。別にXpertに限ったことではなく、胸水検体は基本的に感度が低いので結核性胸膜炎の診断自体がきわめて難しいです。

Porcel, J. M, et al.
Xpert® MTB/RIF in pleural fluid for the diagnosis of tuberculosis [Short communication]
The International Journal of Tuberculosis and Lung Disease, Volume 17, Number 9, 1 September 2013 , pp. 1217-1219(3)


背景:
 リファンシピン(RIF:リファンピン)耐性の自動分子検査であるXpert® MTB/RIFは喀痰の検査に広く用いられている。この試験の目的は、胸水検体におけるXpertの診断精度を評価することである。

方法および結果:
 2010年9月から2012年3月までの間、結核性胸膜炎と診断された33人の患者(21人が男性、平均年齢33歳)を登録した。ほかの原因の胸水貯留患者34人をマッチさせた。33人のうち11人が微生物学的に結核と診断され、6人は胸膜組織診断に基づいて診断され、16人は胸水中ADA上昇や抗結核薬への反応性などの臨床的情報から類推診断した。HIV共感染患者は一人もいなかった。
 Xpertは結核の診断に対して感度15%(95%信頼区間7–32)、特異度100%(95%信頼区間88–100)、陽性尤度比11.3(95%信頼区間0.65–197)、陰性尤度比0.85 (95%信頼区間0.73–0.99)であった。
 Xpert陽性は、微生物学的に結核を同定できた患者でよく観察された。

結論:
 感度の低さから、胸水に対するXpertは限定的な役割しかないものと考えられる。
 

by otowelt | 2013-08-23 00:15 | 抗酸菌感染症

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