TIOSPIR試験:スピリーバ®レスピマットとスピリーバ®ハンディヘラーの安全性は同等

e0156318_23175684.jpg 呼吸器内科医が待ちに待っていた臨床試験の1つ。スピリーバ®レスピマットとハンディヘラーを直接比較したTIOSPIR試験です。
 過去のメタアナリシスでは死亡リスクの上昇はレスピマットのソフトミストが細かすぎるから(肺→全身への移行が多い)という理由だと考察されていました。

メタアナリシス:スピリーバ・レスピマットは総死亡・心血管系死亡リスクを有意に上昇

 結果としてTIOSPIRは思惑通り(?)、同等という結果を出すことができました。この臨床試験には、利益相反があり、また敢えて循環器系疾患のリスクを避けているようなスタディデザインでもあります(リスクの高い集団を組み入れない)。実臨床では、循環器系疾患を有する患者は非常に多く、COPD~糖尿病~心血管系疾患なんて合併していることはザラにあります。このTIOSPIR試験によって、レスピマットのプラクティスがどこまで変わるのか注目したいところです。私個人としては、すいませんまだ”保留”の立場です。

 ちなみに、NEJM、全文読めないですね。

Robert WA, et al
Tiotropium Respimat Inhaler and the Risk of Death in COPD.
N Engl J Med 2013.DOI: 10.1056/NEJMoa13033422013


背景:
 COPD患者のプラセボ対照比較試験で、チオトロピウムのレスピマットでの5μgの用量は、同ハンディヘラー18μgと効果は同等であった。また、プラセボに比して、ハンディヘラーは死亡率減少に関連していたが、レスピマットでは死亡率の増加が報告された。

方法:
 40歳以上のCOPD患者17135人を登録したこの多施設共同ランダム化二重盲検ダブルダミー並行群間試験(TIOSPIR試験)において、われわれはチオトロピウムレスピマット2.5μg/日、5μg/日の安全性および有効性を同ハンディヘラー18μg/日と比較検証した。
 プライマリエンドポイントは死亡リスク(非劣勢試験:レスピマット2.5μgあるいは5μg vs. ハンディヘラー)と初回のCOPD急性増悪リスク(優越性試験:レスピマット5μg vs. ハンディヘラー)とした。なお、心血管系疾患が安定している患者の安全性を含む心血管安全性も評価した。

結果:
 TIOSPIR試験は、平均観察期間2.3年であった。その結果、レスピマットはハンディへラーに比して死亡リスクは非劣性であった(レスピマット5μg vs. ハンディヘラー:ハザード比0.96、95%信頼区間0.84-1.09、レスピマット2.5μg vs ハンディヘラー:ハザード比1.000、95%信頼区間0.87-1.14)。また、初回のCOPD急性増悪リスクについては非優越性であった(レスピマット5μg vs. ハンディヘラー:ハザード比0.98、95%信頼区間0.93-1.03)。
 死因や主な心血管系有害事象は3群間で同等でだった。

結論:
 COPD患者における、チオトロピウムレスピマット5μgと2.5μgは、同ハンディヘラーと比較して安全性・有効性ともに同等であった(Boeringer Ingelheim社より基金提供)。


by otowelt | 2013-09-04 09:08 | 気管支喘息・COPD

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