INVIGORATE試験:COPDに対するオンブレス®とスピリーバ®の比較試験

e0156318_23175684.jpg ノバルティスが、COPDに対して10年、20年先に何を見越しているのか。海外のツイッターを見ていると、いろいろな憶測はあります。
 INVIGORATE試験は、重症COPDを対象としたオンブレス®とスピリーバ®の比較試験です。プライマリエンドポイントである治療開始12週時点での1秒量はオンブレスの非劣性が観察されましたが、セカンダリエンドポイントであるCOPD急性増悪の頻度に対して、非劣性は示せませんでした。

Marc L Decramer, et al.
Once-daily indacaterol versus tiotropium for patients with severe chronic obstructive pulmonary disease (INVIGORATE): a randomised, blinded, parallel-group study
The Lancet Respiratory Medicine, Volume 1, Issue 7, Pages 524 - 533, September 2013


背景:
 重症のCOPD患者に対する効果と安全性について、インダカテロール(オンブレス®)とチオトロピウム(スピリーバ®)の2剤を比較した。また、治療開始12ヶ月の中等度~重症の急性増悪のエピソードも比較した。

方法:
 この多施設ランダム化二重盲検ダブルダミー並行群間試験では、40歳以上の重症COPDで前の年に少なくとも1回急性増悪している患者を登録した。インダカテロール150μg、チオトロピウム18μgのいずれかの52週投与にランダムに割り付けた(1:1で、ベースの吸入ステロイド薬の量で層別化)。治療開始12週時のトラフ一秒量(毎日の吸入の直前の一秒量)をプライマリエンドポイントとし、治療開始52週時のCOPD急性増悪の割合をセカンダリエンドポイントとした。チオトロピウムに対するインダカテロールの非劣性を検討した。観察項目の解析対象は、per protocolとした。安全性は1回でも吸入薬を投与した全患者を対象とした。(ClinicalTrials.gov, number NCT00845728.)

結果:
 2009年3月16日~2012年7月5日までの間に3444人の患者を登録した。そのうち、1723人がインダカテロールに、1721人がチオトロピウムに登録された。
 治療開始12週時で、トラフ一秒量の最小二乗平均の差は−0.011 Lだった(最小二乗平均:インダカテロール1.134L、チオトロピウム1.145L、片側97.5%信頼区間下限値-0.026L, p<0.0001)。97.5%信頼区間の下限値は事前に規定されていた非劣性マージン-0.055 Lを上回り、インダカテロールはチオトロピウムに非劣性と判明した。しかしながら、インダカテロールは年換算でのCOPD急性増悪率に非劣性を示すことができなかった(インダカテロール:0.79回[n=1529] vs. チオトロピウム0.61[n=1543]、片側検定97.5%信頼区間1.44)。
 安全性解析において、有害事象の発生した患者数は、両群間で有意な差がなかった(インダカテロール65% vs. チオトロピウム62%)。COPDの増悪が最も頻度の高い有害事象であった(インダカテロール43% vs. チオトロピウム39%)。

結論:
 重度のCOPD患者において、インダカテロールとチオトロピウムは、同程度の安全性で、臨床的に意味のある呼吸機能の改善をもたらすことがわかった。COPD急性増悪の全体の数は少なく、治療群間の差が臨床的に重要かは不明であるが、チオトロピウムの方がCOPD急性増悪をより予防することができた。このデータは現在のガイドラインを支持するデータをもたらした。


by otowelt | 2013-09-09 00:24 | 気管支喘息・COPD

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