メタアナリシス:小細胞肺癌に対する維持療法の有効性

e0156318_21422463.jpg 小細胞肺癌に対する維持療法の論文です。

Zhou H, et al.
Duration of chemotherapy for small cell lung cancer: a meta-analysis.
PLoS One. 2013 Aug 30;8(8):e73805.


背景:
 小細胞肺癌(SCLC)の患者に対して、維持化学療法は広く用いられている。しかしながら、経過観察と比較した維持療法の利益については議論の余地がある。

方法:
 信頼性のある文献を同定するため、われわれはMedline、Embase、Cochraneなどの電子データベースからデータを抽出した。SCLCで維持療法(continuousあるいはswitch)か経過観察を選んだ患者を含む試験が適格になった。プライマリアウトカムは1年死亡率、セカンダリアウトカムは2年死亡率、全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)である。

結果:
 665の試験のうち、14の信頼性のある試験(1806人)を同定した。経過観察と比較して、維持化学療法は1年死亡率(オッズ比0.88、95%信頼区間0.66~1.19、p=0.414)、および2年死亡率(オッズ比0.82、95%信頼区間0.57~1.19、p = 0.302)、OS(ハザード比0.87、95%信頼区間0.71~1.06、p = 0.172)、PFS(ハザード比0.87、95%信頼区間0.62~1.22、p = 0.432)と差がみられなかった。
e0156318_21172625.jpg
(文献より引用:1年死亡率)
e0156318_21233552.jpg
(文献より引用:2年死亡率)
e0156318_21234517.jpg
(文献より引用:OS)
e0156318_21241338.jpg
(文献より引用:PFS)

 しかしながら、ED-SCLCのサブグループ解析では維持療法は経過観察よりPFSが延長した(ハザード比0.72、95%信頼区間0.58~0.89、p = 0.003)。加えて、continuous(switchではない)維持療法はPFSという観点では経過観察よりもPFSが短縮した(ハザード比1.27、95%信頼区間1.04~1.54、p = 0.018)。

 出版バイアスはいずれのアウトカム(1年死亡率、2年死亡率、OS、PFS)でも観察されなかった。
e0156318_21285555.jpg
(文献より引用:funnel plots)

結論:
 SCLC患者における維持化学療法は生存アウトカムを改善させない。しかしながら、ED-SCLCにおいてはPFSの延長が観察された。加えて、continuous維持療法は経過観察よりも劣っていることが示唆された。


by otowelt | 2013-09-19 00:23 | 肺癌・その他腫瘍

<< 吸入ステロイド使用は市中肺炎の... 特発性間質性肺炎の分類:ATS... >>