ACROSS試験:COPDに対するロフルミラストの有効性

e0156318_2225660.jpg近年、いくつかの呼吸器疾患において、ホスホジエステラーゼ阻害薬が注目されています。

Jinping Zheng, et al.
Roflumilast for the treatment of COPD in an Asian population – a randomized, double-blind, parallel-group study
Chest. 2013. doi:10.1378/chest.13-1252


背景:
 ロフルミラストは慢性閉塞性肺疾患(COPD)に対して効果が期待されている経口ホスホジエステラーゼ4阻害薬である。これまでのロフルミラストの試験は主に欧米人が対象となっていた。東洋中国人に対する効果と安全性について大規模試験で明らかにする必要がある。

方法:
 重症以上のCOPD患者(中国人、マレーシア人、インド人)626人において多施設共同プラセボ対照二重盲検試験(ACROSS試験[A COPD study investigating ROflumilast on safety and effectiveneSS])を実施した。ランダムに1:1にロフルミラスト500μg1日1回あるいはプラセボに24週間割り付けた。プライマリエンドポイントは、ベースラインから試験終了時までの気管支拡張薬投与前一秒量の変化とした。

結果:
 2011年3月から2012年5月までの間、795人の患者がスクリーニングされ、626人がそれぞれの治療群にランダム化された。509人が試験を完遂した。ベースラインの患者背景に群間差はみられなかった。313人の患者がそれぞれの治療群に割り付けられた。
 プラセボと比較してロフルミラストは平均の気管支拡張薬投与前一秒量の変化の増加がみられた(0.071L; 95%信頼区間0.046~0.095L; P <.0001)。同様の効果はセカンダリエンドポイントである気管支拡張薬投与後の一秒量(0.068L; 95% 信頼区間0.044~0.092L; P <.0001)、 気管支拡張薬投与前および後の努力性肺活量(0.109L; 95%信頼区間0.061~0.157L; P <.0001、0.101L; 95%信頼区間0.055~0.146L; P <.0001)でも観察された。
 有害事象プロファイルは過去のロフルミラストの試験でも同様であった。治療関連有害事象で最も多くみられたのは下痢であった(ロフルミラスト6.0% vs. プラセボ1.0%)。

結論:
 ロフルミラストは呼吸機能の改善に重要な役割を果たし、アジア人にも忍容性がある。ロフルミラストは重症以上のCOPD患者の適切な治療選択肢となるかもしれない。


by otowelt | 2013-10-29 00:40 | 気管支喘息・COPD

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