PointBreak試験:非小細胞肺癌に対する2レジメンの維持療法の比較試験

e0156318_11332977.jpg 昨年のASCOで話題になった肺癌の維持療法として重要な臨床試験であるPointBreak試験です。

Jyoti D. Patel, et al.
PointBreak: A Randomized Phase III Study of Pemetrexed Plus Carboplatin and Bevacizumab Followed by Maintenance Pemetrexed and Bevacizumab Versus Paclitaxel Plus Carboplatin and Bevacizumab Followed by Maintenance Bevacizumab in Patients With Stage IIIB or IV Nonsquamous Non–Small-Cell Lung Cancer
JCO, Published online before print October 21, 2013, doi: 10.1200/JCO.2012.47.9626


目的:
 PointBreak試験は、扁平上皮癌を除く未治療のIIIBあるいはIV期の非小細胞肺癌(NSCLC)の患者を対象に、カルボプラチン+ペメトレキセド+ベバシズマブを導入したのちペメトレキセド+ベバシズマブで維持療法を行う群(A群)と、カルボプラチン+パクリタキセル+ベバシズマブを導入したのちベバシズマブで維持療法を行う群(B群)を比較したランダム化第3相試験である。

患者および方法:
 対象は、IIIBあるいはIV期の非扁平上皮NSCLCで、肺癌に対する全身療法の治療歴がなく、ECOG PSが0-1の患者とし、脳転移がある場合は治療で安定していることとした。導入療法は21日ごとに4サイクル行い、ペメトレキセド群ではペメトレキセド(500mg/m2)+カルボプラチン(AUC 6)+ベバシズマブ(15mg/kg)を投与した。パクリタキセル群ではパクリタキセル(200mg/m2)+カルボプラチン(AUC 6)+ベバシズマブ(15mg/kg)を投与した。各維持療法は進行がなかった患者に行われた。プライマリエンドポイントはは全生存期間(OS)、セカンダリエンドポイントは無増悪生存期間(PFS)、腫瘍増大までの期間(TTPD)、奏効率、安全性、患者報告アウトカムとした。

結果:
 939人がダンラム化された(ペメトレキセド群472人[年齢中央値64.7歳、男性53.2%]、パクリタキセル群467人[年齢中央値64.7歳、53.3%])。維持療法フェーズに進んだのは、ペメトレキセド群292人、パクリタキセル群298人だった。患者背景はペメトレキセド群とパクリタキセル群で差はなかった。
 プライマリエンドポイントであるランダム化からのOS中央値は、ペメトレキセド群12.6ヶ月、パクリタキセル群13.4ヶ月だった(ハザード比1.00、95%信頼区間:0.86-1.16、p=0.949)。1年および2年の生存率は、ペメトレキセド群で52.7%、24.4%、パクリタキセル群で54.1%、21.2%だった。
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(文献より引用:A:ITT、B:維持療法集団)

 ランダム化からのPFS中央値は、ペメトレキセド群6.0ヶ月、パクリタキセル群5.6ヶ月であった(ハザード比0.83、95%信頼区間:0.71-0.96、p=0.012)。TTPDはそれぞれ7.0ヶ月、6.0ヶ月であった(ハザード比0.79、95%信頼区間:0.67-0.94、p=0.006)。奏効率はそれぞれ34.1%と33.0%だった。
 Grade3以上の有害事象で、ペメトレキセド群で多く観察されたものは、貧血14.5%、血小板減少23.3%、疲労感10.9%など。パクリタキセル群で多く観察されたのは、好中球減少40.6%、発熱性好中球減少4.1%、感覚性の末梢神経障害4.1%など。重篤な有害事象および非重篤な有害事象による治療中止は、ペメトレキセド群でそれぞれ2.7%と10.4%、パクリタキセル群では3.6%と9.0%、有害事象による死亡はペメトレキセド群1.8%、パクリタキセル群2.3%だった。

結論:
 カルボプラチン+パクリタキセル+ベバシズマブのレジメンと比較するとカルボプラチン+ペメトレキセド+ベバシズマブ投与後の維持療法によってOSが改善することはなかったが、PFSは有意に延長した。


by otowelt | 2013-11-02 00:02 | 肺癌・その他腫瘍

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