大気汚染によって低出生体重児のリスクが増加

e0156318_911913.jpg PM2.5は世界の大気汚染における長期的課題です。


Marie Pedersen, et al.
Ambient air pollution and low birthweight: a European cohort study (ESCAPE)
The Lancet Respiratory Medicine, Early Online Publication, 15 October 2013, doi:10.1016/S2213-2600(13)70192-9


背景:
 環境大気汚染は胎児発育に害を与え、幼少期の呼吸器系に対する悪影響と密接に関連している。われわれは、出生体重における環境大気汚染の低濃度曝露が母体にどういった影響を与えるか調べた。

方法:
 ヨーロッパ12ヶ国における14の母親-小児コホート試験からデータを抽出した。1994年2月11日から2011年6月2日までの間、出生体重、週数、児の性別の情報が得られた単胎出生の74178人の女性が試験に登録された。プライマリアウトカムは低出生体重児とした(37週以降、2500g未満)。
 登録した母親の妊娠中の住所地における浮遊粒子状物質(PM2.5、PM10)の平均濃度が測定された。また近隣主幹道路の交通量も調べられた。ランダム効果モデルによってこれらの影響を検証した。

結果:
 妊娠中、PM2.5濃度が5 μg/m3上昇することは、低出生体重のリスク増加と関連性がみられた(補正オッズ比1.18, 95%信頼区間1.06—1.33)。リスク増加は現時点でのEUの年間PM2.5基準である25 μg/m3であっても観察された(20 μg/m3未満範囲における5 μg/m3上昇ごとのオッズ比1.41, 95%信頼区間1.20—1.65)。また、PM10(10 μg/m3上昇ごとのオッズ比1.16, 95%信頼区間1.00—1.35), NO2(10 μg/m3上昇ごとのオッズ比1.09, 95%信頼区間1.00—1.19), 主幹道路付近の交通密度(1日あたり5000台増加ごとのオッズ比1.06, 95%信頼区間1.01—1.11)についても低出生体重のリスクを増加させた。
 PM2.5濃度を妊娠中に10 μg/m3に減少させることの人口寄与危険度は、低出生体重例を22%(95%信頼区間8-33%)減少させることに相当する。

結論:
 妊娠中の大気汚染および交通への曝露は胎児発育の抑制と関連する。都市部の大気汚染がヨーロッパで制御可能となれば、低出生体重例を減ずることができるかもしれない。


by otowelt | 2013-11-05 00:23 | 呼吸器その他

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