各国の非結核性抗酸菌症の頻度

e0156318_22164719.jpg 日本のNTMの頻度はなんとなくイメージできていますが、こうして世界地図を眺めてみると興味深いものです。

Wouter Hoefsloot, et al.
The geographic diversity of nontuberculous mycobacteria isolated from pulmonary samples: an NTM-NET collaborative study
Eur Respir J 2013 42:1604-1613


概要:
 各国地域における非結核性抗酸菌症の菌種の分布の違いを調べるため、NTM-ネットワークヨーロッパ研究グループ(NET)フレームワーク(www.ntm-net.org)、結核ネットワークヨーロッパ研究グループ(TB-NET)によって呼吸器検体から同定された2008年のNTM患者をサーベイした。

結果:
 30ヶ国・62検査室によって同定された20182人の患者が登録された。91の異なるNTMが同定された。ほとんどの国で最もよくみられたのはMycobacterium avium complex (MAC)であり、続いてM. gordonaeM. xenopiであった。
 しかしながら、菌種ごとに地域の差がみられた。
 たとえば、MACは日本、オーストラリア、スウェーデンなどでは全体の60%以上を占めた。
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(文献より引用:MACの地域別の検出)

 一方、ポーランド、スロヴァキアではM. kansasiiが最も頻度の多いNTMであった。ブラジル、アルゼンチン、イギリスもM. kansasiiの検出頻度は他の国よりも高かった。
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(文献より引用:M. kansasiiの地域別の検出)

 M. xenopiはハンガリーで突出して多く検出された。
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(文献より引用:M. xenopiの地域別の検出)

 俯瞰的にみるとMACは全体的に多かったが(特にアジア、オーストラリアなど)、南アメリカでM. kansasiiM. gordonaeが多く観察され、アジアでは迅速発育菌がとりわけ多く観察された。


by otowelt | 2013-12-02 00:56 | 抗酸菌感染症

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