ブレディという名前の人はペースメーカーを入れることが多い

e0156318_21422881.jpg 毎年恒例のクリスマスBMJです。医学論文を普段読んでいる人にとって、年に一度の楽しみですね。
 クリスマスBMJの論文も医学論文として収載されますが、CareNetの自分の連載には入れないように心がけています。

John J Keaney, et al.
The Brady Bunch? New evidence for nominative determinism in patients’ health: retrospective, population based cohort study
BMJ2013;347doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.f6627


背景:
 名前には不思議な力がある。ウサイン・ボルトは稲妻を意味する「ライトニング・ボルト」の愛称を持つ人類史上最速のスプリンターであり、バニア・スタンボロワは競技中につまずき転倒した(stumble)。また、Rash(皮疹)という名の皮膚科医、Knee(膝)という名の膠原病科医、Cough(咳)という名前の精神科医がいる。他にも、Acheという名前の筋骨格系の論文を書いた人や、Boneという名前の骨粗鬆症の論文を書いた人がいる(表参照)。このように名前とその業績には密接なリンクが存在することが知られているが、健康問題と名前との関連についてはよくわかっていない。
e0156318_2264717.jpg
(文献より引用)

目的:
 「ブレディ(Brady)」という人の名前が徐脈(bradycardia)の頻度を増加させるかどうか調べることにより、人の名前が健康に及ぼす影響を検証した。

デザイン:
 レトロスペクティブコホート研究。

対象:
 ダブリンにおけるブレディという名前の人々。

アウトカム:
 2007年1月1日から2013年2月28日の間、徐脈のためにペースメーカーを挿入された頻度。

結果:
 161967人のうち、ブレディという名前の579人(0.36%)が登録された。ブレディと非ブレディの年齢には差はみられなかった。統計学的に有意ではないが、ブレディという名前の人は男性が多かった(P=0.08)。ペースメーカーを入れた人の頻度はブレディという名前の人の方が有意に高かった(8人:1.38% vs 991人:0.61%; P=0.03)。非ブレディの人と比較して、ブレディという名前によるペースメーカー挿入の非補正オッズ比は、2.27 (95%信頼区間1.13~4.57)だった。
e0156318_21521132.jpg
(文献より引用)

結論:
 ブレディという名前の患者はペースメーカーを入れることが多い。これは、主格決定論:nominative determinism(名前が人生や能力に影響を及ぼすという考え方)を潜在的に示唆するものである。


by otowelt | 2013-12-16 00:30 | その他

<< 病棟に置いたチョコレートの生存... モンテルカストは感染後咳嗽に対... >>