笑いの有益性と有害性

 これもクリスマスBMJです。すいません。全体的に冗談めいた論調なので、訳に自信がありません。ハリー・ポッターを原文で読んだときの難しさと似ています。

R E Ferner, et al.
Laughter and MIRTH (Methodical Investigation of Risibility, Therapeutic and Harmful): narrative synthesis
BMJ 2013;347:f7274 doi: 10.1136/bmj.f7274


目的:
 笑うことによる有益性と有害性の効果をレビューすること。

デザイン:
 ナラティブ統合(narrative synthesis):説話的総説。

方法:
 われわれは笑いがヒトに与える影響について論じた医学論文をMedline、Embaseから抽出した。

結果:
 笑いがもたらす有益性は、病院における道化師(ホスピタル・クラウン)を長年行っているパッチアダムスにより広く知られている。(参考:映画『パッチアダムス』より・・・「血液の酸素濃度を上昇させ、動脈を弛緩し、心機能が効率的にはたらき、血圧を低下させる。これにより、心血管系や循環器系の疾患によい影響がある上に、免疫系の反応も向上する・・・」)
 Duchenneは、頬骨と眼輪筋がともに収縮するものが本当の笑いだと報告している。
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(文献より引用:Duchenne laughter)

 笑いは、怒りの軽減、不安の軽減、抑うつの軽減、ストレスの軽減、血圧の低下、疼痛の閾値の上昇、心筋梗塞リスクの軽減、呼吸機能の改善、エネルギー消費量の減少、血糖値の減少といったものが報告されていた。
 しかしながら、冗談ではないが笑いによって有害性も報告されている。笑いは失神、心・食道破裂、腹壁ヘルニア、気管支喘息発作、異物誤嚥(笑ったときに吸い込んでしまうかもしれない)、気胸(笑いすぎによる)、小葉内気腫、カタプレキシー、頭痛、顎関節脱臼、腹圧性尿失禁といった悪影響をもたらすかもしれない。
 感染する笑いは実際に感染症を移すことがあり、これは口を覆うことで防げる。また笑いが乏しい患者では感染症を疑うことも大事である。
 病的な笑いも存在する、てんかん発作(笑い発作)、脳腫瘍、筋萎縮性側索硬化症、運動神経疾患などなど。

結論:
 笑いは純粋に有益なものではない。しかし、通常の笑いには有害性はなくおしなべて有益なものであるとわれわれは考える。しかし、よくないジョーク(sick jokes)はヒトを病気にさせるのか、さりげなく面白いこと(dry wit)はヒトを脱水にさせるのか、悪趣味なジョーク(jokes in bad taste)はヒトを味覚異常にさせるのか、このコメディアンじみた私たちの報告があとあと真面目な研究を喚起するものか、注目だ。


by otowelt | 2013-12-17 18:43 | その他

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