メタアナリシス:PaO2、PaCO2の推定に静脈血液ガス分析は有用でない?

e0156318_10434992.jpg 研修医の頃は静脈血液ガス分析でPaCO2を予測する手法を学んだりしたものですが、妥当性については疑問符がつくようです。

ANTHONY L BYRNE, et al.
Peripheral venous and arterial blood gas analysis in adults: are they comparable? A systematic review and meta-analysis
Respirology (2014) doi: 10.1111/resp.12225


背景:
 末梢血静脈血液ガス分析(PVBG)は動脈血液ガス分析(ABG)の代替として広く用いられることがあるが、その同等性についてははっきりと示されていない。PVBGから得られるpH、PCO2、PO2がABGと同等に扱えるか否か検討した。

方法:
 PVBGとABGを成人において比較したデータを記した2012年12月までの利用可能な文献を検索し、システマティックレビューをおこなった。ランダム効果モデルを用いたメタアナリシスによって、静脈血と動脈血のpH、PCO2、PO2の平均差(バイアス)と誤差の許容範囲を算出した。

結果:
 18試験1768人の被験者がメタアナリシスに組み込まれた。試験間の異質性は高く、I2は100%に達した。
 PVBGおよびABGから得られたpHにはわずかな差がみられ、動脈血pHは典型的には静脈血pHよりも0.03高かった(95%信頼区間0.029–0.038)。
 静脈血PCO2に対するバイアスの95%予測区間は許容できないほど広かったため(-10.7mmHgから+2.4mmHg)、静脈血PCO2と動脈血PCO2を比較することはできなかった。
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(文献より引用)

 動脈血PO2は典型的には静脈血よりも36.9mmHg高かった(95%信頼区間27.2-46.6 mm Hg)。これも値の互換性を評価するには、値幅が広すぎた。
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(文献より引用)

結論:
 PVBGはABGのpHを推定するには有用だが、PCO2、PO2の推定には有用ではない。


by otowelt | 2014-01-15 10:38 | 呼吸器その他

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