シロリムスの長期投与によって循環LAM細胞は減少する

e0156318_14272422.jpg 孤発性LAM の発症にもTSC遺伝子の異常が関与しているとされています。

Xiong Cai, et al.
Sirolimus Decreases Circulating Lymphangioleiomyomatosis Cells in Patients With Lymphangioleiomyomatosis
Chest. 2014;145(1):108-112.


背景:
 リンパ脈管筋腫症(LAM)は孤発性あるいは結節性硬化症複合体(TSC)の女性に起こり、肺に嚢胞性病変がみられ、リンパ行性の浸潤を呈し(乳び胸、平滑筋様細胞異常増殖など)、腎血管筋脂肪腫(AML)を合併することがある。LAMによる多系統の障害はLAM細胞が転移性に播種して起こる結果であり、TSC1あるいはTSC2遺伝子の変異やヘテロ接合性の消失(LOH)が関わっている。ハマルチン/ツベリン複合体の機能不全によって、常にmTOR(mammalian target of rapamycin)が活性化された状態となり過剰な細胞増殖につながるとされている。シロリムスは呼吸機能の減少を抑制し、乳び胸水を減少させ、AMLを縮小させる効果がある。この研究の目的は、シロリムスが循環LAM細胞に与える影響を調べたものである。

方法:
 血液中の細胞は密度勾配分画法によって同定され、尿中および乳び胸水中の細胞は密度勾配遠心法によって同定された。血中細胞は抗CD45フルオレセインイソチオシアネート(fluorescein isothiocyanate; FITC)抗体、抗CD235a-R-フィコエリトリン(R-PE)抗体を用いて培養された。尿中および乳び胸水中細胞は抗CD44v6-FITC抗体および抗CD9-R-PE抗体を用いて培養された。

結果:
 TSC2 LOHのあるLAM細胞は、治療前の血液検体で100%、尿検体で75%に同定できた。平均2.2±0.4年のシロリムス治療により、LAM細胞の同定率は有意に減少した(血液中:25%に減少、P < .001、尿中:8%に減少、P = .003)。
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(文献より引用)

 治療フォローアップで、閉経後の患者において循環LAM細胞の著しい減少が観察された(P = .025)。

結論:
 シロリムスを投与された患者は、長期的な治療や閉経によってLAM細胞の減少が観察される。


by otowelt | 2014-01-23 00:13 | びまん性肺疾患

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