癌患者に対する人工呼吸器装着の生存率:癌予後良好例で50%

e0156318_17262418.jpg 当然の結果だと思いますが、重要な報告ですね。

Luciano C. P. Azevedo, et al.
Outcomes for Patients with Cancer Admitted to the ICU Requiring Ventilatory Support: Results from a Prospective Multicenter Study
Chest. 2014. doi:10.1378/chest.13-1870


背景:
 非緩和的な人工呼吸器のサポートを要する癌患者の臨床的特徴とアウトカムを評価する。

方法:
 この研究は、ICU入室48時間のうちに人工呼吸器あるいは非侵襲的換気を要した成人癌患者を登録した、28のブラジルのICUで行われたプロスペクティブコホート試験の二次的解析である。ロジスティック回帰を用いて、院内死亡率に関連する因子を同定した。

結果:
 717人の患者のうち、263人(37%)(227人が固形癌、36人が血液悪性腫瘍)が人工呼吸器あるいは非侵襲的換気のサポートを受けた。当初、非侵襲的換気は85人(32%)、人工呼吸器は178人(68%)の患者に用いられた。加えて、非侵襲的換気ののちに人工呼吸器を装着した患者は45人(53%)いた。院内死亡率は全体で67%であり、非侵襲的換気に限ると40%、非侵襲的換気ののちに人工呼吸器を装着した患者では69%、人工呼吸器を装着した患者では73%だった(P<0.001)。入院の形態で補正すると、新規の悪性腫瘍診断(オッズ比3.59、95%信頼区間1.28-10.10)、再発性あるいは進行性悪性腫瘍(オッズ比3.67、95%信頼区間1.25-10.81)、気道への腫瘍浸潤(オッズ比4.04、95%信頼区間1.30-12.56)、PS2以上(オッズ比2.39、95%信頼区間1.24-4.59)、非侵襲的換気ののちに人工呼吸器を装着した場合(オッズ比3.00、95%信頼区間1.09-8.18)、初期選択として人工呼吸器を選択した場合(オッズ比3.53、95%信頼区間1.45-8.60)、呼吸機能を除いたSOFAスコアの加点(オッズ比1.15、95%信頼区間1.03-1.29)は院内死亡率に有意に関連していた。
 良いPSで非進行性悪性腫瘍の気道内浸潤がない患者において、院内死亡率は53%だった。反面、機能的キャパシティがない進行性の癌患者は予後不良であった。
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(文献より引用)

結論:
 ICUでの呼吸器のサポートを要する癌患者において、PSが良く非進行性の癌患者では半数が生存できる。一方で、PS不良例や進行性の癌患者では緩和ケアを主要なゴールに設定したほうがよいかもしれない。


by otowelt | 2014-02-11 09:11 | 集中治療

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