呼吸器科医と非呼吸器科医における胸腔関連手技による合併症の頻度に差はない

e0156318_13244530.jpg 個人的には、COPDの患者さんに対する胸腔穿刺にはかなり注意しています。

Kay Choong See, et al.
Bedside pleural procedures by pulmonologists and non-pulmonologists: a 3-year safety audit
Respirology (2014) doi: 10.1111/resp.12244


背景:
 胸腔ドレナージや胸腔穿刺といった胸腔関連手技は広く行われており、気胸や出血といった体腔臓器を傷害する潜在的リスクを孕んでいる。超音波ガイド下でこうした手技を非呼吸器科医が行った場合の合併症の頻度についてはあまり報告がない。われわれの大学病院における、ベッドサイドでの胸腔関連手技について調査を行い、呼吸器科医と非呼吸器科医での合併症の頻度を調べた。

方法:
 標準的トレーニング、胸腔関連手技の安全チェックリスト、超音波ガイドを用いた複合的な安全性アプローチが1000床未満のシンガポールの施設で実施された。およそ3.5年におよぶプロスペクティブな調査により、ベッドサイドで行われた胸腔関連手技を抽出し、放射線学的な部位も調べた。手術室で行われた手技については除外した。

結果:
 2009年6月から2012年12月までの間、443人の患者に529の胸腔関連手技(295が呼吸器科医、234人が非呼吸器科医)が行われた。救急部で行われた100の手技を除く429の手技のうち、13(3.0%)のみが勤務時間外に行われた。呼吸器科医によって行われた手技では、非呼吸器科医よりも基礎疾患に癌を有する患者が多かった。一方で非呼吸器科医によって行われた手技では、人工呼吸器を装着している患者が多かった。また、胸水症例は呼吸器科医によって行われた手技、気胸症例は非呼吸器科医によって行われた手技の患者に多くみられた。
 そのうち、16の手技(3.0%)で合併症がみられた。この合併症についてはすべて異なる患者に起こったものである。合併症の内訳は、5人が医原性気胸、4人がドライタップ(穿刺困難)、4人が胸腔ドレーンの位置異常、2人が胸壁出血、1人が医原性血胸だった。合併症の頻度については、呼吸器科医と非呼吸器科医に差はみられなかった。
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(文献より引用:■=全合併症、=気胸)

 なお、COPDのある患者では、合併症のリスクが7倍近く上昇した。
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(文献より引用)

結論:
 この研究によれば、呼吸器科医と非呼吸器科医の間に胸腔関連手技の合併症の頻度に差はみれらなかった。これは院内で採用している複合的な安全性アプローチによるものかもしれない。しかしそうであったとしても、COPD患者に対して手技を行う場合には細心の注意が必要であろう。


by otowelt | 2014-03-19 00:57 | 呼吸器その他

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