悪性胸膜中皮腫におよぼす職業関連および非職業関連アスベスト曝露の影響

e0156318_1214596.jpg 曝露から何十年も経過した後に発症するので、疫学的な研究が非常に少ない疾患でもあります。

A Lacourt, et al.
Occupational and non-occupational attributable risk of asbestos exposure for malignant pleural mesothelioma
Thorax doi:10.1136/thoraxjnl-2013-203744


目的:
 フランスにおいて、非職業関連曝露も含めたアスベスト曝露によると想定される悪性胸膜中皮腫例の頻度を推定すること。

方法:
 この1998年から2002年まで実施された集団ベースの症例対照研究には、437人の悪性胸膜中皮腫の患者と874人のコントロール患者が組み込まれた。職業関連および非職業関連のアスベスト曝露がレトロスペクティブに2人の衛生学者によって評価された。
 アスベスト曝露による悪性胸膜中皮腫のオッズ比が非曝露例と比較され、条件つきロジスティック回帰を用いてアスベスト曝露の人口寄与危険度割合が算出された。

結果:
 職業関連アスベスト曝露と悪性胸膜中皮腫の間には明確な用量反応関係が観察された(0.1f/mL-year以下の曝露:オッズ比4.0、99%信頼区間1.9 to 8.3、10f/mL-year以上の曝露:オッズ比67.0、99%信頼区間25.6 to 175.1)。職業関連アスベスト曝露の人口寄与危険度割合は男性で83.1%(99%信頼区間74.5% to 91.7%)、女性で41.7% (99%信頼区間25.3% to 58.0%)だった。非職業関連アスベスト曝露であっても、曝露歴のない患者と比較すると悪性胸膜中皮腫のリスクは高かった。非職業関連アスベスト曝露の人口寄与危険度割合は男性で20.0% (99%信頼区間−33.5% to 73.5%)、女性で38.7% (99%信頼区間8.4% to 69.0%)だった。あらゆる条件でのアスベスト曝露を想定すると、人口寄与危険度割合は男性で87.3% (99%信頼区間78.9% to 95.7%)、女性で64.8% (99%信頼区間45.4% to 84.3%)だった。

結論:
 われわれの研究によれば、非職業関連アスベスト曝露による女性の悪性胸膜中皮腫では人口寄与危険度割合が高く算出された。家庭や職場でのアスベスト曝露を検証する難しさを考慮したとしても、この結果は男女における人口寄与危険度割合に差があることで説明できるのかもしれない。


by otowelt | 2014-02-25 00:32 | 肺癌・その他腫瘍

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