HIV感染患者における市中肺炎とニューモシスティス肺炎を鑑別する因子

e0156318_1753714.jpg HIVの患者さんが肺炎を起こした場合には、常にニューモシスティス肺炎やは肺結核を念頭に置かねばなりません。日本では「ニューモシスス肺炎」と記載するのが正しいようですが、私は「ニューモシスティス肺炎」と記載しています。「ロマンック」と書くよりも「ロマンティック」と書く方が好きですね。

Catia Cilloniz, et al.
Community-acquired lung respiratory infections in HIV-infected patients: microbial aetiology and outcome
ERJ February 13, 2014 erj01558-2013


背景および目的:
 われわれはHIVに感染した患者の市中肺炎(CAP)の疫学、Pneumocystis jiroveciiによるCAPのリスク因子、30日死亡を予測する予後因子を記載する。

方法:
 これはHIVに感染した成人CAP患者を連続331人登録した(2007年1月から2012年7月まで)。

結果:
 128人(39人)の患者がCD4陽性細胞数200/mm3未満、99人(43%)がHIV RNA200コピー/mL未満であった。
 CD4陽性細胞数200/mm3以上の患者ではStreptococcus pneumoniaeが最もよくみられた。200/mm3未満およびHIV RNA200コピー/mL未満の患者ではP. jiroveciiが最もよくみられた。
 細菌性CAPを予測する因子としては、5日以下の症状(オッズ比2.6, 95%信頼区間1.5–4.4), CRP22 mg/dL以上(オッズ比4.3, 95%信頼区間2.3–8.2)、HCV共感染(オッズ比2.3, 95%信頼区間1.4–3.9)が挙げられる。白血球4×1012/L以下(オッズ比3.7, 95%信頼区間1.2–11.5), LDH598 U/L以上(オッズ比12.9, 95%信頼区間4.2–39.7)、多葉にわたる病変(オッズ比5.8, 95%信頼区間1.9–19.5)はP. jiroveciiによる肺炎を予測した。全体で30日死亡率は7%だった。
 適切な抗菌薬治療(オッズ比0.1, 95%信頼区間0.03–0.4), LDH598 U/L以上(オッズ比6.2, 95%信頼区間1.8–21.8)、人工呼吸器装着(オッズ比22.0, 95%信頼区間6.2–78.6)は30日死亡率を独立して予測した。
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(文献より引用)

結論:
 ある種の予測因子を用いれば、HIV感染症のある成人患者において、細菌性およびP. jiroveciiによる肺炎を鑑別することが可能かもしれない。


by otowelt | 2014-02-27 00:26 | 感染症全般

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