IPFの死亡率は臨床試験の適格基準に依存、低用量ステロイド使用は下気道感染の頻度を上昇

e0156318_23263224.jpg IPFに対するステロイド単独治療は好ましくありません。近年、免疫抑制剤との併用についても世界的には疑問視されていますね。IPFに限ったことではありませんが、臨床的にサルコイドーシスや慢性過敏性肺炎と診断してステロイドを長期に投与してしまうことで、その後の感染症による線維性間質性肺疾患の急性増悪を招くことは避けたいものです。

Atkins CP, et al.
Outcomes in idiopathic pulmonary fibrosis: A meta-analysis from placebo controlled trials.
Respir Med. 2014 Feb;108(2):376-87.


背景:
 特発性肺線維症(IPF)におけるアウトカムのほとんどのデータは現行のガイドラインよりも前に得られたものである。感染症の頻度に関するデータは乏しく、低用量ステロイドと疾患重症度の影響については不透明である。

方法:
 われわれはIPFのランダム化比較試験を同定し、死亡率、下気道感染症(LRTIs)の頻度、IPFの悪化および急性増悪をプラセボ群と介入群で比較した。われわれは、疾患重症度あるいは低用量免疫抑制剤を検証したサブグループ間での罹患率比(IRRs)を用いて差を比較した。

結果:
 軽症~中等症の重症度の患者を組み込んだ臨床試験において、死亡率は重症の患者を含んだ臨床試験よりも低かった(1000人年あたり188.6 vs 78.6の死亡, IRR 0.30-0.59, p < 0.0001)。低用量プレドニゾロンの使用を許可した研究と除外した研究の間には統計学的な死亡率の差は観察されなかった。LRTIsは、低用量プレドニゾロンを使用していない群よりも使用した群の方がよく観察された(1000人年あたり227.1 vs 63.4感染、IRR 2.56-5.13, p < 0.0001)。また重症の患者を除外した研究では感染症の頻度は少なかった(1000人年あたり153.9 vs 257.8感染, IRR 0.45-0.81, p = 0.0003)。IPFの急性増悪は重症IPFを除外した研究では少なかった(1000人年あたり28.2 vs 122.9増悪イベント, IRR 0.11-0.55, p < 0.0001)。IPFの悪化の頻度はサブグループ間で差はなかった。

結論:
 IPFの死亡率は不均一であり、臨床試験の適格基準に依存する。感染症の頻度は免疫抑制の有無に関係なく高く、重症の患者では高かった。IPFに対する低用量プレドニゾロンは下気道感染の頻度を上昇させる。


by otowelt | 2014-02-26 00:48 | びまん性肺疾患

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