重症COPD急性増悪に対する全身性ステロイド投与はICU死亡率を改善させない

e0156318_142145100.jpg 呼吸器疾患の増悪だから何でもかんでもステロイド、というのは良くないといつも考えています。COPD急性増悪についても、何の目的でステロイドを使用するのか、はっきりさせて使った方がよいでしょうね(Chest 2001; 119:726–730.)。

Fekri Abroug, et al.
Prednisone in COPD exacerbation requiring ventilatory support: an open-label randomised evaluation
ERJ March 1, 2014 vol. 43 no. 3 717-724


背景:
 COPD急性増悪に対する全身性ステロイド投与の使用が推奨されている背景には、人工呼吸管理を要する患者が除外された研究に基づいているという事実がある。GOLDにおいて、COPD急性増悪は1日あたりプレドニゾロン30~40mgの投与が推奨されている(Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease (GOLD). Global Strategy for the Diagnosis, Management and Prevention of COPD. 2013.)。

方法:
 経口ステロイド投与を評価したチュニジアのオープンラベルランダム化比較試験において、217人の人工呼吸管理を要するCOPD急性増悪患者を通常ケア(106人)、1日あたり1mg/kgのプレドニゾンを10日間投与する群(111人)にランダムに割り付けた。人工呼吸器の種類によって層別化した。
 全ての患者は短時間作用型β2刺激薬とイプラトロピウムのネブライザー吸入を実施されている。また、抗菌薬については主治医の裁量によって使用可能とした。
 プライマリエンドポイントはICU死亡率とした。セカンダリエンドポイントは、人工呼吸器装着期間、ICU在室期間とした。

結果:
 プライマリエンドポイントであるICU死亡率について差はみられなかった(17人[15.3%] vs. 15人[14%]、相対リスク1.08, 95%信頼区間0.6–2.05)。
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(文献より引用:エンドポイント)

 非侵襲性人工呼吸器を装着した患者において、ステロイド投与群の死亡率は15.7%、コントロール群の死亡率は12.7%だった(相対リスク1.25, 95%信頼区間0.56–2.8; p=0.59)。人工呼吸器装着期間およびICU在室期間も同等であった。
 インスリン開始あるいは投与量変更を要した高血糖エピソードは、ステロイド投与群で55人(49.5%)、通常ケア群で35人(33%)に観察された(相対リスク1.5, 95%信頼区間1.08–2.08; p=0.015)。

結論:
 重症のCOPD急性増悪を呈した患者において、プレドニゾンはICU死亡率や患者アウトカムを改善させなかっただけでなく、高血糖のリスクを上昇させた。


by otowelt | 2014-03-03 00:55 | 気管支喘息・COPD

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