切除可能非小細胞肺癌において術前化学療法は生存期間を延長

e0156318_1458348.jpg 術前化学療法の衝撃的な報告です。皆さんの施設ではどうされているでしょうか。

NSCLC Meta-analysis Collaborative Group.
Preoperative chemotherapy for non-small cell lung cancer: a systematic review and meta-analysis of individual participant data
The Lancet, Early Online Publication, 25 February 2014,doi:10.1016/S0140-6736(13)62159-5


背景:
 患者個人データに基づくメタアナリシス(IPDメタアナリシス:BMJ 309(6960):1007, 1994)によれば、非小細胞肺癌(NSCLC)の術前化学療法は生存期間の延長効果があることが示されている。われわれは、切除可能NSCLCの患者における術前化学療法の効果を報告するため、システマティックレビューおよびIPDメタアナリシスを行った。

方法:
 1965年1月以降の研究をシステマティックに調べ、IPDを収集・チェック・解析した。ランダム化比較試験の結果を二段階固定効果モデルを用いて統合した。全解析はITTでおこなわれた。
 プリアマリアウトカムは、ランダム化以降の全生存期間とした(全死因を含む)。セカンダリアウトカムは無再発生存期間、局所および遠隔再発までの期間、切除率など。

結果:
 15のランダム化比較試験(2385人)の解析の結果、術前化学療法は生存期間に統計学的に有意な利益をもたらした(ハザード比0.87, 95%信頼区間0.78—0.96, p=0.007、死亡の相対リスクを13%減少)。 この知見は、絶対的な5年生存率を5%改善させることを意味している(40%→45%)。化学療法レジメンや投与スケジュール、抗癌剤の数、白金製剤使用の有無、術後放射線治療の有無による生存率の差はないものと考えられた。年齢、性、パフォーマンスステータス、組織型、臨床病期による術前化学療法への利益多寡も考えられなかった。
e0156318_14532611.jpg
e0156318_1454844.jpg
(文献より引用)

 無再発生存期間(ハザード比0.85, 95%信頼区間0.76—0.94, p=0.002)および遠隔再発までの期間(ハザード比0.69, 0.58—0.82, p<0.0001)は術前化学療法があった方が良好な結果であったが、ほとんどの患者は病期IBからIIIBであった。局所再発までの期間については統計学的な差は観察されなかった(p=0.20)。

結論:
 このIPDメタアナリシスによれば、術前化学療法は切除可能NSCLC患者の全生存期間、遠隔再発までの期間、無再発生存期間を改善させた(ほとんどの患者は病期IB-IIIBであった)。ほとんどの患者にとって術前化学療法は妥当な治療選択肢である。ただし、今回の検証において毒性の影響については解析できなかった。


by otowelt | 2014-03-04 00:24 | 肺癌・その他腫瘍

<< 中等症以上COPDへのフルチカ... 重症COPD急性増悪に対する全... >>