中等症以上COPDへのフルチカゾン/ビランテロール(レルベア®)はフルチカゾン/サルメテロールと差なし
2014年 03月 05日
レルベアの片割れであるLABAのビランテロールは、β2選択性がきわめて高いことが知られています(J Pharmacol Exp Ther 2013; 344: 218–230.)。基本的には吸入ステロイド薬なので、COPDの治療として使われるのは重症COPDのケースだけでしょう。将来的に日本でもCOPDに対する使用が承認される可能性はありますが、実臨床におけるインパクトは大きくないでしょう。
Alvar Agustí, et al.
A comparison of the efficacy and safety of once-daily fluticasone furoate/vilanterol with twice-daily fluticasone propionate/salmeterol in moderate to very severe COPD
ERJ March 1, 2014 vol. 43 no. 3 763-772
背景:
フルチカゾンフランカルボン酸エステル/ビランテロールトリフェニル酢酸塩(FF/VI 100/25μg)の1日1回吸入(レルベア®エリプタ)はCOPDの治療に用いられている(日本ではCOPDに対しては未承認)。われわれはこの吸入薬をフルチカゾンプロピオン酸エステル/サルメテロールフマル酸塩(FP/SAL 500/50)1日2回吸入(アキュヘイラー吸入)と12週間にわたって比較検討した。
方法:
この臨床試験は、ヨーロッパとアジアの合計61施設でおこなわれた多施設共同試験である。中等症から最重症の40歳以上のCOPD患者に対して、2週間のプラセボrun-in periodののち、FF/VI朝1日1回吸入群(266人)あるいはFP/SAL1日2回吸入群(262人)にランダムに割り付けた。プライマリエンドポイントは12週間目の0-24時間加重平均FEV1(weighted mean FEV1)とした。day1からのwmFEV1の100mLの変化を達成するまでの期間およびベースラインからのSGRQ変化量とした。
結果:
FF/VIはFP/SALと比較してwmFEV1は大きく(平均130 mL vs 108mL)、100mLの改善が達成されるまでの期間はすみやかであった(中央値16分 vs 28分)。SGRQスコアは両群ともに改善がみられた(FF/VI -4.3単位, FP/SAL -3.0単位)。しかし、エンドポイントにおける治療群の差は統計学的に有意ではなかった。 (文献より引用)
FF/VIの2%、FP/SALの1%に重篤な有害事象があったが、薬剤に関連したものとは考えられていない。
結論:
中等症から最重症のCOPD患者に対するFF/VIは、FP/SALと比較して呼吸機能の改善や健康ステータスに有意な差は観察されなかった。また、安全性プロファイルについても明らかな差はなかった。
Alvar Agustí, et al.
A comparison of the efficacy and safety of once-daily fluticasone furoate/vilanterol with twice-daily fluticasone propionate/salmeterol in moderate to very severe COPD
ERJ March 1, 2014 vol. 43 no. 3 763-772
背景:
フルチカゾンフランカルボン酸エステル/ビランテロールトリフェニル酢酸塩(FF/VI 100/25μg)の1日1回吸入(レルベア®エリプタ)はCOPDの治療に用いられている(日本ではCOPDに対しては未承認)。われわれはこの吸入薬をフルチカゾンプロピオン酸エステル/サルメテロールフマル酸塩(FP/SAL 500/50)1日2回吸入(アキュヘイラー吸入)と12週間にわたって比較検討した。
方法:
この臨床試験は、ヨーロッパとアジアの合計61施設でおこなわれた多施設共同試験である。中等症から最重症の40歳以上のCOPD患者に対して、2週間のプラセボrun-in periodののち、FF/VI朝1日1回吸入群(266人)あるいはFP/SAL1日2回吸入群(262人)にランダムに割り付けた。プライマリエンドポイントは12週間目の0-24時間加重平均FEV1(weighted mean FEV1)とした。day1からのwmFEV1の100mLの変化を達成するまでの期間およびベースラインからのSGRQ変化量とした。
結果:
FF/VIはFP/SALと比較してwmFEV1は大きく(平均130 mL vs 108mL)、100mLの改善が達成されるまでの期間はすみやかであった(中央値16分 vs 28分)。SGRQスコアは両群ともに改善がみられた(FF/VI -4.3単位, FP/SAL -3.0単位)。しかし、エンドポイントにおける治療群の差は統計学的に有意ではなかった。
FF/VIの2%、FP/SALの1%に重篤な有害事象があったが、薬剤に関連したものとは考えられていない。
結論:
中等症から最重症のCOPD患者に対するFF/VIは、FP/SALと比較して呼吸機能の改善や健康ステータスに有意な差は観察されなかった。また、安全性プロファイルについても明らかな差はなかった。
by otowelt
| 2014-03-05 00:22
| 気管支喘息・COPD