胸部HRCTにおけるpossible UIPパターンは組織学的にもUIPパターンである可能性が高い

e0156318_12303248.jpg 胸部HRCTにおいてUIPパターンのうち蜂巣肺の所見がみられないものをpossible UIPパターンと呼んでいます。蜂巣肺があれば、そのほかの所見とあわせてUIPパターンと言えることが多いでしょうが、possible UIPパターンだと断言するには胸部HRCTの読影能力が必要だと思います。
 今回の報告を読むと、陽性適中率が90%以上を維持できるのであればpossible UIPパターンも確定的UIPパターンに含めてもよいのではとも感じます。ただ、頼るところはやはり胸部HRCTの読影能力なのですが・・・。

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(Am J Respir Crit Care Med 183: 788–824.より引用)

Ganesh Raghu, et al.
Diagnosis of idiopathic pulmonary fibrosis with high-resolution CT in patients with little or no radiological evidence of honeycombing: secondary analysis of a randomised, controlled trial
The Lancet Respiratory Medicine, Early Online Publication, 18 February 2014, doi:10.1016/S2213-2600(14)70011-6


背景:
 特発性肺線維症(IPF)の現行のガイドラインでは、胸部HRCTにおいてUIPパターンが同定できない場合、外科的肺生検検体によって組織学的に確定することが必要とされている。われわれは、過去のランダム化比較試験においてIPFが疑われた患者コホートで胸部HRCTの適中率を解析した。

方法:
 ARTEMIS-IPF試験は、40~80歳のHRCT上蜂巣肺がほとんどない(5%未満)IPF患者に対してアブリセンタンの効果を検証したランダム化二重盲検プラセボ対照多施設共同第3相試験である(ARTEMIS-IPF試験:IPFに対するアンブリセンタンは病勢増悪リスクを上昇)。2010年12月、中間解析により効果が認められないとしてARTEMIS-IPF試験は早期中止となった。われわれは、この研究におおけるスクリーニング検査として胸部HRCTが施行された患者および通常ケアとして外科的肺生検が行われた患者を解析対象として用いた。匿名化した胸部HRCT検査を独立して解析し(UIP、possible UIP、inconsistent with UIPに分類)、陽性適中率、陰性適中率を算出した。

結果:
 ARTEMIS-IPF試験の1087人の連続したスクリーニング患者のうち、315人(29%)が胸部HRCTと外科的肺生検のいずれもを受けていた。胸部HRCTにおいてUIPパターンと診断された111人のうち108人が組織学的にUIPパターンであると診断された(陽性適中率97.3%, 95%信頼区間92.3—99.4)。また胸部HRCTにおいてpossible UIPパターンであると診断された84人のうち79人が組織学的にUIPパターンであると診断された(陽性適中率94.0%, 95%信頼区間86.7—98.0)。胸部HRCTにおいてinconsistent with UIPパターンであると診断された120人のうち22人が組織学的にpossible UIPあるいは非UIPと診断された(陰性適中率18.3%, 95%信頼区間11.9—26。4)。

結論:
 適切な診療をおこなえば、胸部HRCTにおいて(妥当な読影のもと)possible UIPパターンが観察された患者では外科的肺生検はIPFの診断に必要ないかもしれない。


by otowelt | 2014-03-10 00:05 | びまん性肺疾患

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