非小細胞肺癌における微量胸水は予後不良因子

e0156318_10101326.jpg 実臨床に即した論文だと思います。微量胸水のどの程度が真の悪性胸水かどうかという検討はできないと思いますが、実際に微量胸水が存在するoperabilityがあると判断される患者さんもいらっしゃるので、要注意だと感じました。

Ryu JS et al.
Prognostic impact of minimal pleural effusion in non-small-cell lung cancer.
J Clin Oncol. 2014 Mar 20;32(9):960-7.


目的:
 10mm未満の微量胸水は悪性胸水の初期相を反映しているかもしれないが、臨床的な信頼性についてはほとんど研究されていない。そのため、われわれは非小細胞肺癌(NSCLC)の患者における微量胸水について調査し、予後の与える影響を考察した。また、当該機序についても検討した。

患者および方法:
 仁荷大学病院において2002年から2010年まで実施された研究である。診断時における胸部CTから2061人の患者の胸水を3群に分類した。すなわち、無胸水群、微量胸水群、悪性胸水群である。4因子(患者、病期、腫瘍、治療)に関する21の変数と予後との関連性を調べた。

結果:
 微量胸水は272人(13.2%)の患者に観察された。2061人のうち、stage Iは5.2%、stage IIは10.9%、stage IIIAは13.2%、stage IIIBは23.8%、stage IVは13.9%であった。微量胸水の存在は無胸水群と比較して予後不良因子であった(生存期間中央値7.7ヶ月 v 17.7ヶ月; log-rank P < .001)。他の因子で補正をおこなっても有意な結果であった(補正ハザード比1.40; 95%信頼区間1.21 to 1.62)。
早期と進行期の比較では、微量胸水は予後に及ぼす影響が大きかった(Pinteraction= .001)。微量胸水のあった患者のうち237人(87.8%)では、胸膜浸潤・接触が観察されたものは予後不良の独立因子であった(P = .03)。
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(文献より引用:A:全患者、B:stageI、C:stageII、D:stageIIIA、E:stageIIIB、F:stageIV)

結論:
 微量胸水は、NSCLCの病期診断時に遭遇する臨床的に関心のある現象である。その存在は予後不良因子であり、特に早期の段階では重要であると考えられる。


by otowelt | 2014-04-11 00:01 | 肺癌・その他腫瘍

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