気管支拡張症・MAC患者において慢性肺アスペルギルス症の合併は死亡リスクを上昇

e0156318_12592061.jpg 当院は複雑な呼吸器感染症を呈する患者さんが数多くいますので、MACと肺アスペルギルス症を合併しているケースも時折見かけます。

ZAID ZOUMOT, et al.
Mycobacterium avium complex infection in non-cystic
fibrosis bronchiectasis
Respirology (2014)doi: 10.1111/resp.12287


背景および目的:
 非嚢胞性線維症の気管支拡張症・MAC患者において、疾患マネジメントを決定する上で役立つ増悪・安定性をはかる信頼性のあるマーカーは不足している。

方法:
 非嚢胞性線維症の気管支拡張症・MAC合併感染のある52人の成人患者を、5年にわたってレトロスペクティブに解析した。MAC感染症によって得られた画像所見を中心に、胸部HRCTによってスコアリングをおこなった。

結果:
 慢性肺アスペルギルス症の存在は独立して死亡リスクを上昇させた(ハザード比8.916, 95% 信頼区間1.324–60.027)。また、胸部HRCTにおいて空洞を呈する結節影(ハザード比5.911, 95%信頼区間1.095–25.911)、気腫合併(ハザード比1.027, 95%信頼区間1.002–1.053)もリスクを上昇させた。
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(文献より引用)

 MACに対する治療はMACの培養陰性化をもたらした(67% vs 27%, p=0.005)が、経過観察を選択した患者と生存アウトカムは同等であった。
 胸部HRCTでスコア改善がみられた患者は若年者に多く(60.2 ± 9.19歳 vs 69.83 ± 12.43歳, P = 0.043)、空洞を結節影内部に有する患者は胸部HRCTのスコアが不良であった(0.5 (0–3) vs 0 (0–1), P = 0.033)。

結論:
 気管支拡張症とMAC感染を合併する患者において慢性肺アスペルギルス症の共存は死亡リスクを上昇させた。胸部HRCTにおいて、結節影内部に空洞を有する場合、気腫を合併する場合、これも死亡リスクを上昇させた。

by otowelt | 2014-04-21 07:43 | 抗酸菌感染症

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